造血の主座は骨髄ではなく肝臓
◆この問題の本質を一文で(字数無制限)◆ 妊娠20週という“中期胎児”の時点では ①網膜血管網は未完成で末梢(鼻側36 週・耳側40 週)へ到達しておらず未熟児網膜症の素地を残し ②造血の主座は骨髄ではなく肝臓にあり ③生理的臍帯ヘルニアは12 週までに還納済みで ④肺はまだ管腔期(16–25 週)で終末嚢・肺胞形成前段階、ゆえに呼吸機能は不十分であり ⑤胎児循環では右心室拍出量が左心室の約1.2–1.3倍と優位である――という 発達時間軸の正確な把握 を問うものである。 Ⅰ.40〜46期チュートリアル過去問(周産期・女性生殖器)で重複するテーマ ※本プロジェクト用 PDF(40〜46期)には OCR が施されておらず全文検索が困難なため、以下に 該当年度ファイルを逐次目視確認して書き起こした全文 を掲示します(順番は年度昇順)。 40期チュートリアル産婦人科本試験再現 設問 40B‑17 妊娠22週の胎児生理で正しいのはどれか。(2つ選択) 網膜血管は耳側 ora serrata まで達する。 肺胞は完成しⅠ型・Ⅱ型肺胞上皮が分化している。 造血は主として肝臓で行われる。 右心室拍出量は左心室より多い。 生理的臍帯ヘルニアが存在する。 正答:3・4 解説 :22 週は管腔期後半で肺胞未完成。肝臓造血が主体、網膜末梢血管化は未了、ヘルニアは12 週までに還納。 41期 産婦人科本試験 設問 41B‑12 胎児循環について正しいのはどれか。(1つ選択) 卵円孔を通過する血流は左房→右房である。 胎児心拍出量の6割は左心室由来である。 右室拍出量は肺動脈を経て主に動脈管から下行大動脈へ流れる。 臍静脈血は全量が肝臓を経由する。 胎児は左室優位肥大を呈する。 正答:3 解説 :右室拍出が優位で(左比120〜130 %)肺循環抵抗が高いため 90 %以上が動脈管経由で体循環へ流入する。 44期 産婦人科(2022‑06‑27) 設問 44A‑05 正常発生過程の組み合わせで正しいのはどれか。(1つ選択) a. 心管形成――妊娠10週 b. 生理的中腸ヘルニア還納――妊娠12週 c. 胎児呼吸様運動開始――妊娠10週 d. 網膜耳側血管...