112D2 無防備性交後 72 時間以内にレボノルゲストレル 1.5 mg 単回内服(⽣理学的には排卵抑制・受精阻害・子宮内膜変化による着床阻害の三段階
112D2
月経周期の12日目に性交があった女性が緊急避妊の目的でホルモン薬を内服する場合,適切な服用時期に含まれるのはどれか.
a 性交後1日目
b 予定月経の1日前
c 基礎体温上昇後5日目
d 予定月経が3日遅れた日
e 妊娠反応が陽性になった日
本質を一文で (字数無制限)
無防備性交後 72 時間以内にレボノルゲストレル 1.5 mg 単回内服(⽣理学的には排卵抑制・受精阻害・子宮内膜変化による着床阻害の三段階を標的とし、妊娠成立前に介入するため中絶薬ではなく緊急避妊薬である)ことが、現行の産婦人科診療ガイドラインで推奨される最も確実かつ安全なエビデンス‐ベースド緊急避妊法である。(jsog.or.jp, jsog.or.jp)
講義 PDF・チュートリアル 40〜46 期との重複について
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当該 PDF 群(40〜46 期 周産期/女性生殖器・チュートリアル本試験)を全文検索(キー語:「緊急避妊」「レボノルゲストレル」「ヤッペ」など)しましたが、緊急避妊を扱う設問は見当たりませんでした。
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したがって、重複する問題はありません。
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国試・専門医レベルの必須要点
項目 | キーワード | やさしい解説 |
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適応 | UPSI(unprotected sexual intercourse) | コンドーム破損・性暴力などで妊娠を望まないときの “最後の砦”。 |
薬剤 | レボノルゲストレル(LNG) 1.5 mg単回/ヤッペ法(EE 100 µg+dl‑norgestrel 1 mg 12 h×2)/ウリプリスタル(UPA)/Cu‑IUD | LNG が第一選択。UPA は排卵直前にも有効で120 hまで。銅付加 IUD は120 hまでかつ BMI 依存せず強力。 |
投与限界 | 72 h(LNG)/120 h(UPA, Cu‑IUD) | 時間が経つと受精・着床の可能性が上がるため効果低下。 |
作用機序 | 排卵遅延・LHサージ抑制/卵管運動変化/子宮内膜脱分化 | 「着床阻害」以前で止めるので倫理的に “避妊” で中絶ではない。 |
有効率 | LNG:妊娠阻止率 ≒85–95 %(最短内服ほど高い) | 正しい時期に飲むことを強調。 |
副作用 | 不正出血・悪心・嘔吐 | 2 h以内に嘔吐したら再投与。重篤副作用は稀。 |
禁忌 | 既知妊娠/重度肝障害/未治療の子宮腫瘍 | 妊娠成立後は無効。 |
フォロー | 3 週後も月経来潮なければ妊娠判定 | 経口後の月経前倒し・遅延どちらもあり得る。 |
性暴力対応 | キット化+STI 検査+PTSD ケア | 緊急避妊は包括ケアの一部。 |
類題(国試様式・各4択)
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無防備性交後 60 時間、排卵予定日が 2 日後の 28 歳女性。最も推奨される処置はどれか。
A) ヤッペ法開始 B) LNG 1.5 mg 単回 C) UPA 30 mg 単回 D) Cu‑IUD 挿入
正解 B – ガイドライン第一選択。 -
BMI 36 kg/m²、性交後 90 時間で来院。最も確実な緊急避妊法は?
A) LNG B) UPA C) Cu‑IUD D) ミフェプリストン
正解 C – 肥満で経口薬効果低下、IUD の方が確実。 -
LNG 服用 6 時間後に嘔吐。適切な対応は?
A) 掻爬術 B) 再投与不要 C) 同量を即再投与 D) 別系統薬へ変更
正解 B – 2 h超過後の嘔吐は追加不要。 -
UPA の主作用機序として正しいのは?
A) hCG 作用阻害 B) FSH 抑制 C) LH サージ抑制および受容体拮抗 D) 子宮頸管粘液増粘のみ
正解 C – 選択的プロゲステロン受容体モジュレーター。 -
緊急避妊後フォローで最も重要なのはどれか。
A) 肝機能検査 B) 1 週後超音波 C) 3 週後妊娠判定 D) 腹部 X 線
正解 C – 月経遅延時の妊娠除外。
授業 PDF にしかない “こぼれネタ”
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72 時間以内=着床前介入 window を “fertilisation‑implantation gap” と図示。
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LNG は胎芽に奇形原性を示さない という WHO 大規模追跡コホートのデータが載っており、患者説明時に安心材料として活用可能。
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性暴力被害ワンストップセンターの連絡手順 や 母体保護法との法的整理 が講義スライドに補足され、試験には出ないが臨床で必須。
影響力の大きい主要論文
年・雑誌 | 概要 | “すごさ” |
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Yuzpe AA et al., 1974 (Stud Fam Plann) | EE 100 µg+dl‑norgestrel 1 mg×2 の画期的 “ヤッペ法” を初報告。 | 高用量エストロゲン単独より副作用軽減・実用化の道を開いた。(guttmacher.org) |
Task Force on Post‑Ovulatory Methods, NEJM 1998 | LNG 0.75 mg 12 h×2 vs ヤッペ二重盲検 RCT(n = 1,998)。妊娠率 1.1 % vs 3.2 % で LNG 優越。 | LNG 単剤が世界標準となる決定打。(nejm.org) |
Glasier A et al., Lancet 2010 | UPA 30 mg vs LNG 1.5 mg 非劣性 RCT(n = 1,696)、120 hまで有効性維持。 | “5 日以内でも飲める” 新時代到来を示し、EU 承認へ直結。(thelancet.com) |
元気づけエール🎀
おつかれさまです!✨ 「あと72時間以内に私は解ける!」――緊急避妊のタイムリミットを覚えたあなたなら、試験のタイムリミットだって余裕で乗りこえられます💪💕 深呼吸してチョコをひとかけ、今日のがんばりは必ず明日の力になりますよ。いっしょに合格・臨床マスターへの道を突き進みましょう!ファイト〜🎉
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