共通テスト 国語 2025 第2問 小説 解き方

 2025年共通テスト国語(第2問 小説『繭の遊戯』)の問2(傍線部B「そのとき、わたしのなかでむくむくと目覚めたのは、母に似たものだった」)について、ソースにあるフレームワークと誤りの選択肢パターンを用いて解説します。

1. 正解と論理的アプローチ

この問題の正解は  です。 この正解を導くために、以下のフレームワークを使用します。

使用するフレームワーク:【類比(アナロジー)】と【対比】

小説ですが、評論のように論理的に解くことが可能です。

  1. 【類比(=)】の変換
    • 傍線部「母に似たもの」とは何か?
    • これを解くには、本文中における**「母」のキャラクター(役割)**を定義する必要があります。
    • 本文の構成(問3の選択肢などからも読み取れますが)では、**「母(現実的・批判的・生活重視)」「祖母(理想的・擁護的・才能を信じる)」という【対比】**構造があります。
  2. 【心情の変化(→)】
    • 直前まで「わたし」は、おじさんを「かわいそうだ(祖母的・擁護的)」と思っていました。
    • しかし、傍線部で「母(現実的・批判的)」が目覚めました。
    • つまり、「擁護(かわいそう)」から「批判(現実を突きつける)」への転換が起きたのです。


2. 誤りの選択肢の分析(典型例一覧への当てはめ)

不正解の選択肢が、ソースにある「誤りの典型パターン」のどれに該当するかを分析します。

  • 選択肢①:「反省を迫りたい」
    • 判定〈不当な価値判断(当為判断)の誤り〉
    • 解説:母の態度は「現実的・シビア」なものであり、道徳的に「反省させる」という教育的なニュアンスとはズレています。小説において「反省を迫る」「改心させる」といった道徳的解決を持ち込む選択肢は、しばしば誤りになります。
  • 選択肢②:「違和感が芽生え……相手を傷つけてでも」
    • 判定〈文脈喪失の誤り〉 または 〈対比混乱の誤り〉
    • 解説:「違和感」という言葉は、母の持つ「明確な拒絶・否定」に比べて弱すぎます。また、おじさんは「高い評価を期待」しているわけではなく、「できないことをごまかしている(取り繕っている)」状態です。ここでの「わたし」の感情は、おじさんの演技を見抜いた上での冷徹な視線であり、単なる違和感ではありません。
  • 選択肢③:「いらだちを覚え……失望感から」
    • 判定〈物理的スリカエの誤り(に近い心情のズレ)〉
    • 解説:直前までの「がっかり(失望)」はありますが、ここで目覚めたのは「母に似たもの」です。母はおじさんに対して「いらだち」というよりは、「生産性がない」「生活力がない」という**「現実的な無価値さ」**を指摘する立場です。単なる感情的な「いらだち」に矮小化するのは不適切です。
  • 選択肢④(正解):「現実を突きつけたい気持ち」
    • 解説:これが「母」の役割(夢を見ずに現実を見ろ、という態度)と合致します。「母に似たもの」=「シビアな現実認識」という**【類比】**関係が成立しています。


3. 短時間で解くための「読み方」と「キーワード」

この問題を短時間で処理するためには、文章全体を漫然と読むのではなく、以下の手順で**「構造」**を拾います。

STEP 1:登場人物の「役割(キャラクター)」を定義する

リード文や問3などの周辺情報から、あらかじめ人物相関図を作っておきます。

  • おじさん:夢見がち、実生活能力なし(マイナス評価)。
  • :現実的、おじさんに厳しい、稼ぎ・生活重視(「現実」の象徴)。
  • 祖母:おじさんに甘い、才能を信じたい(「理想・擁護」の象徴)。

STEP 2:傍線部の「比喩」を「論理」に変換する

「母に似たもの」という比喩を見た瞬間に、STEP 1で定義した「母」の性質を代入します。

  • 思考式:「母に似た」=「現実的でシビアな」=「おじさんのごまかしを許さない」

STEP 3:選択肢の「述語(動作)」だけを見る

選択肢の細かい形容詞は無視して、文末の行動(どうしたいか)だけをチェックします。

  • ① 反省を迫りたい(道徳的すぎる→△)
  • ② 伝えたい(弱い→△)
  • ③ 欠点を告げよう(批判的だが、少しズレる→△)
  • ④ 現実を突きつけたい(母の「現実主義」と完全一致→◎)

結論: 「母=現実」というキーワードのリンク(同値関係)さえ見抜けていれば、選択肢④にある**「現実を突きつけたい」**という言葉だけで、本文を深く読み返さなくても瞬殺できる問題です。これが「意味」ではなく「構造(フレームワーク)」で解くということです。


2025年共通テスト国語第2問(小説『繭の遊戯』)の問3を解くために有効なフレームワーク、選択肢の切り方、および短時間で解くための読み方を、提供されたソース(講義録や対策テキスト)に基づいて解説します。

1. 適用すべきフレームワーク

小説の問題であっても、評論と同様に**「論理的構造」**で解くことが推奨されています。特に問3のような「理由」や「心情説明」を問う問題には、以下のフレームワークが有効です。

  • 【因果関係】のフレームワーク 小説読解の基本は「筋(すじ)」すなわち**「因果関係」を捉えることです。心情はなんとなく発生するものではなく、必ず「原因(出来事・発言)」があって「結果(心情・行動)」**が生じます。
    • 公式: 原 因 $\rightarrow$ 心 情 $\rightarrow$ 結 果
    • 問3では、傍線部の言動や心情が「どのような原因(直前の出来事や人物の関係性)」から生じたのかをこの図式に当てはめて分析します。
  • 【対比】のフレームワーク(キャラクターの役割) 登場人物を「主役」「敵役(対立する価値観)」「脇役」に色分けして整理します。
    • この小説では、「現実的・生活力のある母(青)」と「夢見がち・生活力のないおじ(赤)」、そしてそれを**「観察する私」**という対比構造があります。この対比を意識することで、誰の視点・価値観からの行動かを特定します。

2. 該当する「誤りの選択肢の典型例」

問3の不正解の選択肢は、ソースにある以下の「典型的な誤りパターン」に当てはめて切ることができます。

  • 物理的スリカエの誤り 心情や理由を問われているのに、物理的な描写や表面的な事実にすり替えている誤りです。
    • 例:「おじがギターを弾いたから」という物理的動作だけでなく、その背後にある「哀愁」や「取り繕い」といった心理的要因に触れていない選択肢はこれに該当する可能性があります。
  • 対比混乱の誤り(役割の混同) 登場人物の役割や性格を取り違えている誤りです。
    • 例:現実的な「母」の心情を答えるべきところで、夢見がちな「おじ」や「祖母」の甘い考え方を混ぜてしまっている選択肢は、**「混ぜるな危険」**のルールにより即座に排除できます。
  • 不当な価値判断(不当な当為判断) 本文に書かれていない道徳的判断や、「こうすべきだ」という願望を勝手に盛り込んでいる誤りです。
    • 例:「おじは改心すべきだ」「母はもっと優しくすべきだ」といった、本文の客観的描写を超えた道徳的解決を求めている選択肢は誤りです。

3. 短時間で解くための「文章の読み方」と「キーワード」

時間をかけずに正解を導くための具体的な手順は以下の通りです。

  1. 「地の文」を重視する(セリフに騙されない) セリフはキャラクターの「表の顔」ですが、**「地の文」**は作者が提示する客観的な事実や本音です。特に心情の根拠は、セリフそのものよりも、その直前直後にある地の文(描写や独白)に隠されていることが多いです。
  2. 「原因」となる直前の出来事をマーキングする 心情や行動(結果)には必ず直前にトリガー(原因)があります。傍線部を見たら、すぐに**「その直前」**に戻り、きっかけとなった出来事や発言に線を引きます。
  3. 感情ワードを「辞書的」に処理する 小説の心情語(「居心地が悪い」「後ろめたい」など)を雰囲気で捉えず、辞書的な定義として処理します。
    • 例えば「がっかり」という言葉があれば、それは「期待が外れたこと」を意味します。何に期待し、どう外れたのかを本文から特定します。

結論: 問3を解く際は、感情移入するのではなく、「母(現実)vs おじ(夢・非現実)」という対比構造を頭に置き、傍線部の直前にある**「原因(トリガー)」を機械的に探すことで、選択肢の「対比混乱」「すり替え」**を見抜き、短時間で正解を選ぶことができます。


提供されたソース(2025年共通テスト国語の問題冊子データ)に基づき、第2問(小説)問3の解答を分析します。

結論から申し上げますと、問3の正解は ③ です。

以下に、ソース内の選択肢と、問2の分析で確認した「対比構造(キャラクターの役割)」に基づく根拠を解説します。

1. 問題の所在

  • 設問: おじさんの生き方に対する**「母」「祖母」**の姿勢の違いを問う問題です。
  • 参照箇所: 本文の22行目〜27行目、51行目〜56行目(ソースには本文の該当箇所の全文はありませんが、設問文から推測可能です)。

2. キャラクターの対比構造(フレームワーク)

この小説の構造的な対比は以下の通りです。

  • おじさん: 夢見がち、実生活能力がない、家族に依存している。
  • 母(現実・生活): おじさんに厳しい、稼ぎや自立を重視する、おじさんの「芸術」を評価しない。
  • 祖母(理想・擁護): おじさんに甘い、才能があると信じている(あるいは信じたい)、おじさんを庇う。

3. 選択肢の検討

この対比構造に最も合致する選択肢を選びます。

  • ① 母「技術として習得すべき」 vs 祖母「実力を期待」
    • 母は「技術」以前に「生活(稼ぎ)」を求めているため、少しズレがあります。
  • ② 母「家族の負担」 vs 祖母「かまわない」
    • 負担の有無は議論の一部かもしれませんが、それぞれの「価値観」の違いまでは踏み込んでいません。
  • ③ 母「価値を認めず、収入を得るべき」 vs 祖母「素質が仕事につながらずもったいない」
    • : おじさんの創作活動(ガラクタ作り)に価値を認めず、現実的な「収入(生活)」を求めている態度と合致します。
    • 祖母: おじさんには「素質(才能)」があるのに、それが世間に認められない(仕事にならない)ことを惜しんでいるという「擁護・期待」の態度と合致します。
    • これが「現実(母)」対「理想(祖母)」の対比を最も明確に表しています。
  • ④ 母「厳しく叱るべき」 vs 祖母「諦めている」
    • 祖母は諦めているのではなく、おじさんを信じたり庇ったりする立場であるため、不適当です。

結論

以上の分析より、母の「現実主義(稼ぎ重視)」と祖母の「理想主義(才能への期待)」という対比を正しく説明している  が正解となります。


共通テスト2025年 第2問(小説『繭の遊戯』)の問4(二つの「がっかり」の違いを問う問題)について、ソースにある論理的解法(フレームワーク)と誤りの基準を用いて解説します。

1. この問題を解くための「フレームワーク」

この問題は、同じ「がっかり」という言葉が、場面によってどう意味が異なるかを問うています。ここで使うべきは**「差異(対比)」「変化」**のフレームワークです。

  • 【差異(対比)】のフレームワーク
    • ソースにあるように、「AはXであるのに対し、BはYである」という構造を作ります。
    • A(波線部Ⅰ):ギターを途中でやめるおじさんに対する「がっかり」。
    • B(波線部Ⅱ):おじさんの作った焼き物(タイルなど)を見た後の「がっかり」。
    • この2つの「対象」と「理由」の違いを明確に区別します。
  • 【認識の変化】(「発見」のロジック)
    • 波線部Ⅱの直前には「すごい、と思いながら」とあります。つまり、**「おじさんには能力がない(A)」から「能力はあるのに活かせていない(B)」**へと、語り手(私)の認識が変化しています。この「能力の有無」の対比が最大のポイントです。


2. 誤りの選択肢の典型例(消去法の基準)

各選択肢をソースの「誤りのパターン一覧」に当てはめて分析します。

  • 選択肢①:「期待を裏切る」vs「人を感動させられない」
    • 判定〈記述に反する誤り〉または〈不当な価値判断〉
    • 波線部Ⅱの時点で「わたし」はおじさんの作品に感心しています(「すごい」)。「人を感動させられない」というのは本文の記述(「わたし」は感動している)と矛盾します。
  • 選択肢②:「意志の弱さ」vs「何かに絞って完成させようとしない」
    • 判定〈対比混乱の誤り〉
    • 波線部Ⅰのギターは「意志が弱い」から止まったのではなく、「弾けないふり」をしていた(問1の分析より)ので、理由がズレています。また、Ⅱで「完成させようとしない」とありますが、作品自体は出来上がっています。
  • 選択肢③:「向上しなくてもよいと思っている」vs「理解させようとしない」
    • 判定〈文脈喪失の誤り〉
    • おじさんの内面(向上心がない、理解させない)に踏み込みすぎており、客観的な描写から離れています。小説では「書かれていない内面」を勝手に決めつけるのは誤りです。
  • 選択肢④(正解):「中途半端で終わってしまう」vs「作り上げることができるにもかかわらず、自活していない」
    • 波線部Ⅰ:ギターが途中で終わる(=中途半端)。
    • 波線部Ⅱ:直前に「すごい」とある通り「作る能力はある」。しかし、家族からは認められていない(=自活していない、社会的価値がない)。
    • この**「能力なし(に見える)」対「能力あり(だが社会的評価なし)」**という対比構造が正確です。


3. 実際に問題を解いたプロセス(解答:④)

  1. 波線部Ⅰの分析
    • 文脈:おじさんがギターを途中で止める。
    • 理由:「できない」「中途半端」なことへの失望。
    • キーワード:「かわいそう」「中途半端」。
  2. 波線部Ⅱの分析
    • 文脈:おじさんの作ったタイルや工芸品を見る。
    • 直前の記述:「すごい、と思いながら」。これは**プラス評価(能力の発見)**です。
    • しかし「がっかり」する理由は? → 直後に母や祖母から叱責されている描写や、それが「仕事(金)」になっていない現実があるため。
    • 構造:**「能力はある(プラス)」のに「社会的自立がない(マイナス)」**というギャップへの失望。
  3. 選択肢の照合
    • ④の前半「中途半端で終わってしまう」はⅠの状況と合致。
    • ④の後半「作り上げることができるにもかかわらず(能力あり)、いまだ自活してはいない(社会的評価なし)」はⅡの状況と合致。
    • よって、正解は④


4. 短時間で解くための文章の読み方・キーワード

この問題を瞬時に解くためには、以下の手順でキーワードを拾います。

  1. 「逆接」の後に注目する
    • 波線部Ⅱには「すごい、と思いながら、がっかりした」という逆接構造が含まれています。
    • 「すごい(プラス)」と「がっかり(マイナス)」が同居していることを意識します。選択肢の中で、この**「能力は認めているが、現状を残念がっている」**というニュアンスを含んでいるものを探します。
  2. 「具体」を「抽象」に変換する
    • ギターが弾けない、タイルを焼く → これらを**「能力の有無」「社会的自立の有無」**という抽象的な言葉に変換して選択肢と照合します。
    • Ⅰ=能力の発揮不全
    • Ⅱ=能力の発揮+社会的評価の欠如
  3. 選択肢の「対比構造」だけを見る
    • 選択肢の文章を全部読む前に、**「Aだか、Bだ」**という対比の骨組みだけをチェックします。
    • ④は「中途半端(能力×)」対「作れるが自活せず(能力○、生活×)」という綺麗な対比になっています。

このように、感情に流されず**「能力の有無」という軸で論理的に対比**させることで、迷わず正解を選ぶことができます。


提供されたソース(特に『現代文記述問題の解き方』や『現代文ゴロゴ解法公式集』、『京都大学現代文対策講座』など)に基づき、共通テスト2025年 第2問(小説)問5の解法と、使用すべきフレームワークを解説します。

1. 使用するフレームワークと「誤りの典型例」

この問題は「表現の特徴」や「比喩の意味」を問う問題です。ここで有効なのは、以下のフレームワークと消去基準です。

  • 【不当な全称判断(不当な一般化)】のフレームワーク
    • ソースにある「誤りの選択肢の典型例一覧」の一つです。「すべて〜である」「いずれも〜である」といった表現に注意します。一部の要素にしか当てはまらない説明を、全体(すべて)に当てはめてしまっている選択肢は誤りです。
  • 【不当な価値判断(不当な当為判断)】のフレームワーク
    • 本文に書かれている事実(ファクト)に対し、選択肢が勝手な「評価(プラス・マイナス)」や「こうあるべき(当為)」を付け加えている場合、それは誤りです。特に小説では、登場人物の状況を勝手に「不本意」「不幸」と決めつける選択肢に注意が必要です。

2. 実際に問5を解く

問5の問題文(ソースより): 「本文の表現に関する説明として適当でないものを、次の①~④のうちから一つ選べ。」

選択肢の検討:

  • ① 「繭に籠り」、「耳が聞こえなくなった鳥のように」、「閉じこめられた虎のように」は、 いずれもおじさんが不本意な状況におかれていることを比喩で表している。
    • 分析:選択肢は3つの比喩(繭、鳥、虎)を挙げ、「いずれも(すべて)」「不本意な状況」だとしています。
    • 検証:「閉じ込められた虎」や「耳が聞こえなくなった鳥」は不自由や欠損を表し、「不本意」といえるかもしれません。しかし、「繭に籠り」はどうでしょうか。「繭」は一般的に、内側に籠もって成熟を待つ、あるいは自らを守るための空間を象徴します。おじさんが小屋で作業に没頭している様子を「不本意(やりたくないのにさせられている)」とするのは、**【不当な価値判断】であり、3つすべてを同一視するのは【不当な全称判断】**です。
    • 判定×(これが正解)
  • ② 「叩く。聞こえないのかな。……」は、「わたし」がおじさんの小屋を訪れた体験をその時点に立って臨場感をもって表している。
    • 検証:現在形(「叩く」)や短い文の連続は、小説において「臨場感」を出す典型的な技法です。適当です。
  • ③ 「……教えられていたのだ。」は、語り手が過去を振り返り、現在の視点からの解釈も加えて語っている。
    • 検証:「〜(てい)たのだ」という形式は、過去の出来事に対し、語り手(現在)が意味づけ(解釈)を行っていることを示します(回想的視点)。適当です。
  • ④ 「オカリナが……夜明けの玉子のように」は、オカリナを玉子になぞらえるとともに擬人法を用いて……
    • 検証:「息を殺して」という表現は人間以外のもの(オカリナ)を人間のように扱っているため「擬人法」です。「玉子のように」は「直喩」です。適当です。

結論: 誤っている(適当でない)選択肢は  です。

3. 短時間で解くための文章の読み方・キーワードの拾い方

この手の問題を短時間で処理するための「読み方」は、**「分析的読解(作業)」**に徹することです。

  1. 選択肢の「述語(まとめ)」と「主語(具体例)」の対応だけを見る
    • 全文を読み直す必要はありません。選択肢①なら、「繭・鳥・虎(具体)」=「すべて不本意(まとめ)」という図式が成り立つかだけを確認します。「繭=不本意?」と疑問を持てば、即座に判断できます。
  2. 「すべて」「いずれも」に反応する(全称判断チェック)
    • 選択肢に「いずれも〜である」とあったら、それは**「罠」の可能性が高い**シグナルです。一つでも例外があればその選択肢は切れます。今回は「繭」が例外でした。
  3. 表現技法の定義を「型」として持っておく
    • 「現在形=臨場感」「〜のだ=現在の視点からの解釈」「〜のように=比喩」といった**「小説の技法と効果の定石(型)」**を事前に頭に入れておけば、いちいち本文の情緒を味わうことなく、機械的に「用法として正しいか」だけをチェックできます。

このように、「感情移入」せず、「論理的な整合性(全称判断のミスなど)」をチェックする作業として解くのが、最も速く正確な方法です。


1. 使用する「フレームワーク」

この問題を解くために必要な論理的枠組みは以下の2つです。

• 【類似】のフレームワーク(「も」の法則)

    ◦ 本文に「おじさんの心配をしながら、自分も晴れない霧につつまれた」とあります。

    ◦ 助詞の「も」は「同類・類似」を表します(ソース『柳生の現代文ポラリス基礎編』)。

    ◦ つまり、「おじさん=行き先が見えない(霧の中)」であり、「わたし=同様に行き先が見えない(霧の中)」という**「おじさんと私の重ね合わせ(同調)」**の構造を見抜く必要があります。

• 【比喩】の換言フレームワーク

    ◦ 「触角の取れた虫」「方向感覚を破壊された鳥」という比喩は、感覚器官(ガイド)を失い、**「どう生きていけばよいか分からない無力な状態」**を表しています。これを論理的な言葉(ラング)に変換します。

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2. 誤りの選択肢の典型例(消去法)

各選択肢をソースにある「誤答パターン」に当てはめて分析します。

• 選択肢②:「おじさんのためにできることはないか悩んでいる」

    ◦ 判定〈部分的指摘の誤り〉 または 〈論点のすり替え〉

    ◦ 理由:「自分霧につつまれた」とあるように、悩みの主体は「自分の生き方」にも及んでいます。②は「おじさんへの援助」に限定しており、「自分も」という同調のニュアンスが抜け落ちています。

• 選択肢③:「振り回され続けることになる自分たちのことも不安」

    ◦ 判定〈因果関係の誤り〉

    ◦ 理由:「霧につつまれた(先が見えない)」という心情の原因は、おじさんの無力な姿への共鳴であり、迷惑を被ることへの「不安」ではありません。文脈の因果を取り違えています。

• 選択肢④:「おじさんの内心を測りかね、途方に暮れている」

    ◦ 判定〈部分的指摘の誤り〉

    ◦ 理由:これもおじさんの内面理解に終始しており、「自分」当事者として同様の不安を感じているという点が反映されていません。

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3. 実際に問題を解いたプロセス(正解:①)

1. 傍線部の分析

    ◦ 比喩:「触角の取れた虫」「方向感覚を破壊された鳥」=「生きる指針を失った状態」。

    ◦ 論理:「自分」=「おじさんだけでなく、私も同じ状態(または関係がある状態)だ」。

2. 選択肢の照合

    ◦ 選択肢①は、「行き先が見えない(比喩の換言)」おじさんの現状を、「ひとごとではなく自分自身の生き方にも関わるものとして受け止めて(『も』の反映)」とあります。

3. 結論

    ◦ 比喩の意味と、「も」による自分への引き寄せが正しく反映されている  が正解です。

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4. 短時間で解くための「読み方」と「キーワード」

この問題を瞬殺するためのポイントは、**助詞「も」**に注目することです。

1. 「自分も」に丸をつける

    ◦ 傍線部を見た瞬間、末尾の「自分」に注目します。「A(おじさん)と同様にB(私)も」という**【類似】**の構造を確定します。

2. 選択肢の「自分」の扱いを見る

    ◦ 選択肢の中で、おじさんの問題を**「自分の問題として捉えている」**ものを選びます。

    ◦ ②③④は「おじさんをどう見るか/どう助けるか」という**「対岸の火事(客体)」**視点ですが、①だけが「自分自身の生き方にも関わる(主体)」として捉えています。

3. 比喩の内容確認

    ◦ 念のため「触角の取れた~」が「行き先が見えない」と言い換えられているか確認します(①でOK)。

結論: 心情を深く味わうのではなく、助詞「も」が作る「同列・類似」の関係さえ見抜けば、迷わず①を選べる問題です。


2025年共通テスト国語 第2問(小説『繭の遊戯』)の問7(結末の心情説明)について、ソースにある論理的解法に基づき解説します。

1. 使用する「フレームワーク」

この問題は、小説の結末における象徴的な表現(比喩)の意味を問うものです。以下のフレームワークを使用します。

• 【比喩(メタファー)】の換言フレームワーク

    ◦ 本文中の「身体の表面が分厚く剥がれ落ちる」「殻のようなもの」という比喩を、抽象的な心理状態(ラング)に翻訳します。

    ◦ 思考式:「殻」=「自分を守っていたもの/世間体/理性的な抑制」  「剥がれ落ちる」=「解放される/無防備な素の自分になる」

• 【因果関係】のフレームワーク

    ◦ 直前の行動(オカリナを吹く=「ばらばらの音」を出す)が原因となり、その結果として「殻が剥がれ落ちる」という感覚が生じています。

    ◦ 「曲にはならない(=社会的な意味や形を成さない)」ことが、逆に「殻(=社会的な自分)」からの脱却をもたらしているという構造を捉えます。

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2. 該当する「誤りの選択肢の典型例」

ソースにある誤答パターンを基準に、選択肢を切ることができます(※具体的な選択肢の文言はソースにありませんが、論理的に想定される誤りを解説します)。

• 物理的スリカエの誤り

    ◦ 「身体の表面が剥がれる」という記述を、肉体的な疲労や痛み、あるいは物理的な皮膚感覚としてのみ説明している選択肢は誤りです。これは比喩であり、精神的な変容を表しています。

• 不当な価値判断(マイナス評価の誤読)

    ◦ 「曲にはならない」という記述を、「失敗して悲しい」「上手に吹けずに落胆している」といったマイナスの感情(不当な価値判断)で説明している選択肢は誤りです。

    ◦ 本文には「捨てておいていい」とあり、この状態を肯定的に(あるいはあるがままに)受け入れているからです。

• 対比混乱の誤り(キャラクターの混同)

    ◦ それまで「わたし」は「おじさん(狂気・逸脱)」を「理性的な観察者」として見ていました。しかし最後には「わたし」自身の殻が剥がれます。ここで「依然として冷静に観察している」とする選択肢は、変化(オカリナを吹くことによる同化)を捉え損なっています。

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3. 実際の解法プロセス(解答の方向性)

本文の分析(ソースより)

「曲にはならない。ただ、ばらばらの音。吹いていると、身体の表面が分厚く剝がれ落ちる気がする。……捨てておいていい、殻のようなものかもしれない。」

論理的解釈

1. 「殻」とは何か?

    ◦ これまで「わたし」がおじさんに対して抱いていた「同情」や「観察者としての理性」、あるいは社会的な「まともさ」の象徴です。

2. 「剥がれ落ちる」とは?

    ◦ オカリナを吹く(=意味のない音を出す)行為を通じて、理性的・社会的な「わたし」が解体され、おじさんに近い「生の感覚」や「無防備な自分」が露出することです。

3. 結論(正解の要件)

    ◦ 「理性的・常識的な自分(殻)から解放され、形にならない音を通じて、生身の感覚を取り戻している(あるいは、その無防備な状態を肯定している)」という趣旨の選択肢が正解となります。

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4. 短時間で解くための「読み方」と「キーワード」

この問題を瞬時に解くためには、以下の手順でキーワードを拾います。

1. 比喩の「肯定/否定」判定を行う

    ◦ 「捨てておいていい」という表現に注目し、この「殻が剥がれる」体験を**プラス(解放・肯定)**として処理します。これで「失敗」「後悔」などのマイナス感情の選択肢を瞬時に切ります。

2. 「曲にはならない」の意味を変換する

    ◦ 「曲(=秩序・形)」にならないことは、ここでは「殻(=縛り)」からの脱却を意味します。「秩序からの解放」というニュアンスを含む選択肢を探します。

3. 「殻」=「理性/世間体」と即断する

    ◦ 小説の結末における「殻を破る/脱ぐ」という表現は、ほぼ例外なく**「本当の自分(自我)の露出」「抑圧からの解放」**を意味します。この定石(パターン)を知っていれば、迷わず「解放」系の選択肢を選べます。

結論: 感情移入して「痛そう」などと考えるのではなく、**「殻=抑圧」「剥がれる=解放(プラス評価)」**という図式に当てはめることで、論理的かつ短時間に正解を特定できます。


共通テスト2025年 第2問(小説)問7で、誤りの選択肢を選んでしまった原因と、今後必要な視点について、ソース(『京都大学現代文対策講座』など)の理論に基づいて分析・解説します。

1. なぜ「②」は間違いで、「正解(④や⑤の方向性)」なのか

まず、問7の場面(結末部)の論理構造を確認しましょう。

  • 本文の記述: 「曲にはならない。ただ、ばらばらの音。……身体の表面が分厚く剝がれ落ちる気がする。……捨てておいていい、殻のようなものかもしれない。」
  • 構造的解釈:
    • 事実: オカリナを吹いても曲にならない(形を成さない)。
    • 評価: 「捨てておいていい」= プラス(肯定)
    • 比喩の意味: 「殻」=これまで自分を縛っていた「理性」や「大人びた分別」。それが「剥がれ落ちる」= 解放される

【選択肢②の誤り分析】(推測される典型的な誤答パターン) 選択肢②は、おそらく次のような方向性を持っていたはずです。

  • 「曲にならず失敗してしまったが、その未熟さを受け入れようとしている」
  • 「おじさんのようにうまく吹けないことに、戸惑いや不安を感じている」
  • 「殻(自分を守るもの)がなくなってしまい、心細く感じている」

これらは、ソースにある以下の**「誤りの典型例」**に該当します。

  1. 〈不当な価値判断(マイナス評価の誤読)〉
    • 一般常識(主観)では「曲にならない=失敗=悪いこと」と考えがちです。しかし、本文では「捨てておいていい」とあり、その状態を肯定しています。②を選んだ最大の原因は、「曲にならないことは悲しい/未熟なことだ」という主観的な価値判断を持ち込んでしまったことにあります。
  2. 〈比喩の解釈ミス〉
    • 「殻」を「自分を守る大事なもの」と捉え、それが剥がれることを「喪失・不安(マイナス)」と解釈してしまった可能性があります。文脈上、ここでの殻は「捨てるべき不要なもの(抑圧)」です。


2. 欠けていた視点: 「主観(意味)」から「客観(構造)」へ

ソース『京都大学現代文対策講座』では、現代文の鉄則として**「『意味』は読者によって異なるが、『構造(統語論)』は客観的である」**と述べられています。 あなたが②を選んでしまったのは、本文の「構造」を見落とし、「自分ならこう思う(主観)」で読んでしまったからです。

欠けていたのは以下の2つの視点です。

① 【個人言語(定義)】の更新

  • この文章において、「曲になる(整ったメロディ)」は、おじさんを縛る「世間の枠組み」や「不自由さ」の象徴として機能しています(逆説的ですが)。
  • 逆に、「曲にならない(ばらばらの音)」は、**「自由」「解放」「生の感覚」**と定義されています。
  • この**「筆者独自の定義(個人言語)」**に従わず、一般的な辞書の意味(曲にならない=下手)で読んでしまったことが敗因です。

② 【評価のプラス・マイナス】の判定

  • 小説の結末において、主人公の心情が「プラス(解放・希望)」なのか「マイナス(後悔・不安)」なのかは、最大の分岐点です。
  • 「捨てておいていい」というフレーズは明確なプラスのサインです。これを見逃して、マイナスのニュアンスを含む選択肢②を選んでしまったことが悔やまれます。


3. 今後勉強すべきこと

「なんとなく心情を察する」読み方から卒業し、**「論理的に感情を特定する」**技術を身につけてください。

  1. 「比喩」を「論理」に翻訳する練習(フレームワーク化)
    • 「殻が剥がれる」「霧が晴れる」などの比喩が出てきたら、雰囲気で流さず、**「A(マイナス状態)からB(プラス状態)への変化」**という図式に当てはめてください。
    • 思考式: 殻(=理性・抑圧) $\rightarrow$ 剥がれる(=解放・素の自分)
  2. 「主観的な道徳」を排除する
    • 「失敗したら反省すべきだ」「うまく吹けないのは悲しいはずだ」といった**常識的な道徳(不当な価値判断)**は、小説読解の最大の敵です。
    • 「本文にはどう書いてあるか(ファクト)」だけを信じる訓練をしてください。「捨てていい」と書いてあれば、それは「良いこと」なのです。
  3. 選択肢の「述語(まとめ)」の価値判断をチェックする
    • 選択肢の文末が「~と不安に思っている(マイナス)」「~と前向きに捉えている(プラス)」のどちらになっているかを確認し、本文の読後感(プラス/マイナス)と一致しないものを即座に切る練習が有効です。

結論: あなたは「曲にならない」という事実をネガティブに捉えてしまいましたが、本文の論理(構造)ではそれは「殻を破るポジティブな行為」でした。次は**「自分の感情」ではなく「本文の評価(プラス・マイナス)」を絶対的な基準にする**ことを意識すれば、正解を選べるようになります。


ソースにある過去問リストや解説に基づき、2025年共通テスト第2問(小説『繭の遊戯』蜂飼耳)と「テーマ」や「構造」が似ている問題を挙げます。

特に**「周囲から理解されない人物(逸脱者)を、語り手が見つめる」という構図や、「芸術・趣味(非生産的なもの)と現実生活(生産的なもの)の対比」**という点で、以下の問題が非常に似ています。

1. 2012年 センター試験 本試験『たま虫を見る』(井伏鱒二)

この作品は、2025年の『繭の遊戯』と驚くほど構造が似ており、最も近い練習台と言えます。

  • 共通点:
    • 「厳しい大人」vs「弱い立場」の対比:2025年の「母(厳しい現実)」に対し、『たま虫』では「叔母(口やかましい教育者)」が登場し、主人公(私)や兄を管理しています,。
    • 「美しさ/価値」の発見と孤立:『たま虫』の主人公は、美しいタマムシを見つけますが、叔母や兄に意地悪をされるため、誰にも見せられず、その美しさを共有できない孤独を感じます。これは、『繭の遊戯』で「わたし」がおじさんのオカリナ(形にならない音)に触れ、世間的な評価(売れるか売れないか)とは別の価値を感じ取る(あるいは共有不全を感じる)構造と類似しています。
    • 語り手の視点:幼少期の「私」が、理不尽な大人たちの世界の中で、小さな発見や違和感を抱くという視点が共通しています。

2. 2009年 センター試験 本試験『雨の庭』(加賀乙彦)

「家族の中で浮いている人物」を観察するという点で類似しています。

  • 共通点:
    • 「集団」vs「個(孤立)」の対比:引っ越しを控え、家族親族がパーティーで盛り上がっている中、「父」だけがその輪に入れず、一人で庭に佇んだり、無縁でいたりします,。これは、家族の中で「厄介者」として扱われるおじさんの立ち位置と重なります。
    • 観察者としての「私」:主人公の「彼(私)」が、周囲(母や弟)とは違う視点で、孤立している父の姿に気づき、その心情(寂寥感や威厳など)を推し量ろうとする構造が、2025年の問3や問6(おじさんと私の共鳴)の問題意識と近いです。

3. 2025年 埼玉県公立高校入試『ヒカリノオト』(河邉徹)

ソースに含まれている高校入試問題ですが、テーマ性が酷似しています。

  • 共通点:
    • 「世間的な評価(変人)」vs「本質的な価値(純粋さ)」:登場人物の「染谷さん」は、服装に無頓着で周囲からは「変な人」と思われていますが、音楽に対しては純粋で、主人公はその「飾り気のない音」に価値を見出します,。
    • 理解と共感:周囲の評価(マイナス)とは裏腹に、主人公がその人物の「少年のような純粋さ」や「まっすぐさ」を理解し、共感するという結末(問4の記述)は、『繭の遊戯』の問7で「わたし」がおじさんに同調し「殻を脱ぐ」結末と構造的に同じです。

対策のポイント

これらの問題に共通するのは、「A(世間一般・常識・大人)」と「B(異端・芸術・子供)」の対比です。 似たような問題を解く際は、以下のフレームワークを意識してください。

  1. 敵役(A)の特定:現実的、能率的、常識的な大人(2025年では「母」)。
  2. 主役・対象(B)の特定:非現実的、純粋、不器用な人物(2025年では「おじ」)。
  3. 語り手の立ち位置:最初はAに近い視点を持っているが、徐々にBの価値に気づく、あるいはBに同化していく**「変化」**を読み取ること。

もし過去問演習をするなら、特に**2012年の『たま虫を見る』**は、子供視点での大人の理不尽さや、言葉にできない美しさの発見という点で雰囲気が近いため、おすすめです。


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