中枢橋髄鞘崩壊症(ODS)は名称が変わっていますか?
はい、「中枢橋髄鞘崩壊症(central pontine myelinolysis, CPM)」という従来の名称は、現在ではより包括的な概念である以下の名称に置き換えられつつあります:
✅ **現在の名称(より包括的・推奨される):
浸透圧性脱髄症候群(Osmotic Demyelination Syndrome, ODS)
🔄 なぜ名称が変わったのか?
◆ 従来の名称「中枢橋髄鞘崩壊症(CPM)」の問題点:
**解剖学的位置に限定的(橋=pons)**な名称であり、
実際には、橋以外の部位(大脳皮質下、視床、基底核など)にも病変を認めることがあるため、臨床的に誤解を招く可能性がありました。
◆ ODSという新しい用語の特徴:
橋(central pons)に限らず、脳の他部位にも生じうる脱髄を包括
原因が**急激な浸透圧変化(特にNa補正)**であることを強調
より病態生理を反映した用語
✅ まとめ
名称 | 意味・特徴 |
---|---|
中枢橋髄鞘崩壊症(CPM) | 橋(pons)の髄鞘が崩壊する病変に限定された古い名称 |
浸透圧性脱髄症候群(ODS) | 急激な浸透圧変化により橋やその他の部位に脱髄をきたす広義の病態名。現在はこちらが主流。 |
💬 補足(臨床的意義)
**急激な低Na補正(特に1日で>10〜12 mEq/L)**が最大のリスク因子
**慢性低Na状態(>48時間)**で特にリスクが高く、アルコール依存、肝疾患、栄養不良などの背景でも起こりやすい
必要であれば、MRI画像での所見や、発症タイミング・予後なども詳しく解説できます。
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