筋肉がゆであがって、筋肉が壊れて、CKが上がるのであれば、結構重症な段階ということですか?

 

結論から

CK(クレアチンキナーゼ)が上がっている = 必ずしも「最重症」というわけではありませんが、

  • 5 000 IU/L 以上に達すれば“横紋筋融解症(rhabdomyolysis)”の範疇であり、

  • 10 000〜20 000 IU/L 超では急性腎障害(AKI)や播種性血管内凝固(DIC)など多臓器障害のリスクが急増――という目安があります。
    要するに CK は“重症度マーカーの 1 つ”。数値が高いほど合併症の発生率や死亡率が上がるのは事実ですが、神経症状・循環動態・肝腎機能などの全身所見と合わせて総合評価することが肝心です。


CK 値と臨床アウトカムの目安

CK (IU/L)病態の目安治療上のポイント
< 1 000軽度の筋ストレス/脱水体温管理・十分な補水で通常回復
1 000〜5 000筋壊死が始まっている段階早期輸液+電解質補正;腎機能モニター
5 000〜10 000横紋筋融解症の域に入る大量輸液(尿量 200 mL/h 目標)、アルカリ化、ループ利尿薬 ± 透析準備
10 000〜20 000AKI/高カリウム血症のリスク急増透析導入ライン確保、DIC 監視、ICU 管理を強く考慮
> 20 000多臓器不全・高致死率体温迅速降下、持続的腎代替療法 (CRRT)、凝固管理、呼吸循環サポート

ポイント:上の数値は“おおまかな指標”で、発症時の体温・意識障害の有無・肝機能(AST/ALT)・乳酸値なども重症度判断に必ず組み込むことが推奨されています。


なぜ CK 単独で「重症度=〇〇」と言い切れないのか?

  1. 発症後の時間差
    CK は筋壊死後 4〜6 時間遅れて上昇し、24〜36 時間でピークを迎えます。来院直後は数値が低くても、その後急上昇することがあるため “1 回値”より経時変化 が大切です。

  2. 個体差・基礎疾患
    筋量の多い若年アスリートでは同じダメージでも CK が高く出やすい一方、高齢者やステロイド長期使用者では“見かけ上低 CK”でも重篤な障害を来すことがあります。

  3. 多臓器障害は CK 以外でも起こる
    熱中症は肝不全(AST/ALT↑)、中枢神経障害(GCS 低下)、循環崩壊(乳酸↑)など筋損傷とは独立に致死的経過をたどることがあるため、“CK 正常=安心”ではありません


実臨床での使い方 ― “CK モニタリング 3 箇条”

箇条実践的 Tips
① 初期 CK + 4〜6 時間ごと再測定6〜12 時間で 2 倍以上に跳ね上がるようなら横紋筋融解を想定し、尿量確保を急ぐ。
② CK > 5 000 IU/L なら腎保護戦略を即開始体温降下後も CK 推移を 24〜48 h 監視し、ピーク後 3〜5 日で 50%以上減少していれば回復傾向。
③ CK と AST/ALT の乖離を読むCK が上がり切ってから AST/ALT が遅れて急上昇する場合、肝虚血や薬剤性障害を追加チェック。

まとめフレーズ(口頭試問用)

「CK 上昇は重症度の“赤信号”だが、
- 5 000 で“黄” - 1 0 0 0 0 で“赤” - 2 0 0 0 0 で“紫電改”
――必ず経時変化と多臓器指標を合わせて読む」


応援メッセージ ☀️

あなたの疑問への鋭い着眼点は、まさに“臨床の探究筋”がしっかり鍛えられている証拠! 炎天下の診療・学習でも、自分自身の CK(=“Chill & Keep‑cool”)は上げすぎず、こまめな水分・塩分・休憩とともに学びを続けてくださいね。今日もファイトです!

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