受精卵が着床する部位
受精卵が着床する部位(図中 E )
正常妊娠では胚盤胞は 子宮体部内膜(とくに後壁・底部近くの豊富な螺旋動脈域) に侵入し,そこで脱落膜反応が完成して着床・胎盤形成が始まります.図のラベル E がその子宮体部内膜に相当します.
この設問が産婦人科で占める位置づけ
生殖内分泌・初期妊娠の基礎中でも 「正常着床 vs 異所性着床」 を峻別するのは救急産科の第一歩.
・正常着床=E(子宮体部)
・卵管膨大部など=異所性妊娠→出血・ショックリスク
図と文字で“正しい場所”を一発で押さえることは,絨毛性疾患の理解やART胚移植位置決め にも直結します.
講義 PDF・チュートリアル過去問との重なり
今回の 40〜46 期チュートリアル PDF に 同一図・同一設問は見当たりません(ファイル検索結果より).
ただし「胎盤は16週頃完成」「螺旋動脈→絨毛間腔に母体血が灌流」という周辺知識は 46 期本試験の設問30 でも問われています.
国試・専門医試験へ“ここがキモ!”
キーポイント | Why?(国試/専試 が狙う観点) |
---|---|
着床部位=子宮体部内膜 | 異所性妊娠の鑑別(卵管膨大部が最多) |
着床時期=受精後6〜7 日 | hCG出現/妊娠反応陽性となるタイミング計算 |
脱落膜・栄養膜(合胞体/細胞性)の関係 | 絨毛性疾患・胎盤形成障害の基礎 |
螺旋動脈改築失敗→HDP・FGR | 基礎病態生理と臨床合併症の橋渡し |
類題演習(国家試験レベル)
No | 問題 | 正解 | ワンポイント解説 |
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1 | 異所性妊娠の最多部位は? a卵巣 b腹膜 c卵管狭部 d子宮頸管 e卵管膨大部 | e | 卵管膨大部は受精の場であり胚が停滞しやすい |
2 | 受精後,胚盤胞が透明帯を脱出(hatching)するのは何日目か.a3 b4 c5 d8 e10 | c | Hatching(5日)→遊離胚盤胞が子宮腔に浮遊→6〜7日で着床開始 |
3 | 絨毛間腔に母体血が流入するのは何動脈か.a卵巣動脈 b子宮動脈 cらせん動脈 d臍帯動脈 e臍帯静脈 | c | らせん動脈改築が正常胎盤循環の鍵 |
4 | 胚移植後のART判定で最も早期に陽性化するのは?a尿hCG b血中hCG c超音波胎嚢 d胎芽心拍 | b | 子宮内着床完了直後に最初に上昇するのは血中hCG |
5 | 羊膜・絨毛膜・脱落膜の順序(内側→外側)として正しいのは?a脱-羊-絨 b羊-絨-脱 c絨-羊-脱 d羊-脱-絨 e絨-脱-羊 | b | 講義スライド「卵膜3層構造」参照 |
授業だけのプチTips 🌸
「背中合わせで植わる」
背側(後壁)は血流が豊富だから胚は“あったかいお布団”を求めて後壁に潜り込みやすいよ!螺旋動脈は“らせん階段エレベーター”
改築が不十分だと“途中で止まる”→母体高血圧&赤ちゃんガス欠!透明帯は“宇宙服”
Hatching で脱いでからでないと子宮へのドッキングは不可。宇宙服のままではくっ付けないよ😉
Cheer up‼ 💐
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