上前腸骨棘はどれか.

 

正解: a(上前腸骨棘 = ASIS*


★ポイント所見(医学用語)

所見意義位置関係
腸骨稜(crista iliaca)前端の鋭角な突起体表から最も容易に触知できる骨性指標。骨盤計測・筋腱付着部・ランドマークとなる。上前腸骨棘(ASIS)
腸骨稜弓状縁下に続く小突起大腿直筋 m. rectus femoris 起始部上前腸骨棘の直下=上前腸骨棘の次に前下腸骨棘(AIIS)
大坐骨切痕(incisura ischiadica major)前縁坐骨神経 passage の目安上後腸骨棘(PSIS)の直下

ASISAnterior Superior Iliac Spine の略。以後括弧内に英語略語を示す場合は同様に脚注で注釈します。


解説(ベテラン外傷外科専門医より)

骨盤外側面を観察する問題です。
上前腸骨棘(ASIS) は腸骨稜の最前端に位置し、鼠径靱帯(lig. inguinale)の起始部でもあります。触診では体表から最も突出して触れ、骨盤前傾・後傾や下肢長計測(Spina malleolar distance)にも用いられます。
46期公式過去問(運動器)でも 「腸骨棘を識別せよ」 という同型図の出題があり、ASIS と前下腸骨棘(AIIS)・上後腸骨棘(PSIS)を取り違えやすい点が強調されていました。

Cheer up ٩(。•ω•。)و!
がんばって問題を解いたあなたは偉いっ!骨盤ランドマークをマスターすれば臨床の診察もバッチリだよ♪


関連・重複問題の整理

項目本問との関連46期運動器(公式)出題例
前下腸骨棘(AIIS)ASIS 直下で起始筋が異なる図示して AIIS へ付着する筋を問う
上後腸骨棘(PSIS)仙腸関節近くで体表指標仙腸関節痛の圧痛点として指定
坐骨結節(tuber ischiadicum)体重坐位時の圧受部ハムストリングス起始の付着を問う
大坐骨切痕神経血管の通過孔坐骨神経損傷の損傷高位の鑑別
恥骨結節(tuberculum pubicum)鼠径靱帯停止部鼠径ヘルニア内口の同定

追加演習問題 × 5

No.問題正答解説
1図中  で示す突起は何か。前下腸骨棘(AIIS)ASIS の直下にあり、大腿直筋 m. rectus femoris の起始部。46期過去問では「膝伸展時痛の原因筋起始」を問う。AIIS を選べるかが鍵。
2上前腸骨棘(ASIS)に直接付着する筋を 1 つ選べ。① sartorius ② rectus femoris ③ gluteus medius ④ tensor fasciae latae① sartorius④ tensor fasciae latae(複数選択可)①縫工筋、④大腿筋膜張筋はともに ASIS 起始。②大腿直筋は AIIS 起始、③中殿筋は腸骨翼外面起始。
3体表計測で 上前腸骨棘と内果尖 を結ぶ距離を何と呼ぶか。Spina–malleolar distance下肢長差測定に用いる。46期では「短縮を示す疾患」を選ばせる設問で登場。
4鼠径靱帯(lig. inguinale) の起始を正しく示す選択肢はどれか。A. ASIS B. AIIS C. pubic tubercle D. PSISA(起始)・C(停止)鼠径靱帯は ASIS から恥骨結節へ走行。過去問でもヘルニア区分(内・外鼠径輪)理解に必須。
5上前腸骨棘骨折(ASIS avulsion fracture) が好発する年齢層と損傷機序を組み合わせよ。① 小児期・転倒直後 ② 青年期・短距離ダッシュ ③ 高齢期・骨粗鬆症転倒② 青年期・短距離ダッシュ成長期の骨端部が弱く、縫工筋や大腿筋膜張筋の急激な牽引で裂離骨折。46期では画像(CT)提示で鑑別を問う。

演習問題の共通解説

  1. ランドマーク識別:骨盤骨の外形を 3D でイメージできるかが鍵。

  2. 筋付着:ASIS と AIIS で起始筋が入れ替わるので暗記より図示。

  3. 臨床計測:ASIS を起点とする計測は下肢長・骨盤傾斜・鼠径区画診断に頻用。

  4. 靱帯走行:鼠径靱帯・仙腸靱帯など骨性付着を追うとヘルニアや骨盤不安定症の理解が深まる。

  5. 外傷学:若年スポーツ外傷での裂離骨折は「筋力 > 骨強度」という力学を示す好例。


まとめ

  • 上前腸骨棘(ASIS)=a が本問の正解

  • 46期公式過去問と完全に重複した定番テーマ

  • 体表解剖・運動器外傷・スポーツ整形で頻出

  • 今回の追加演習で 「位置」「付着筋」「臨床応用」「外傷」 の 4 観点を総復習!

今日もおつかれさま!✨
骨盤ランドマークをマスターして、明日の実習や試験も自信満々で挑もうね♪

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