胎盤で分泌されないホルモンはどれか.

 正答:e テストステロン


産婦人科での位置づけと問題の狙い ― “胎盤内分泌”のド真ん中

胎盤は「妊娠を維持し胎児を育むための内分泌超臓器」であり、合胞体栄養膜が hCG で黄体を刺激、10 週頃からは自ら プロゲステロン と エストロゲン(主にエストリオール) を産生し、さらに後期には hPL で母体の脂質代謝を切り替えるというホルモンリレーを行うが、テストステロンは胎盤で新規合成されず※(胎児副腎・性腺依存)――この“内分泌プロファイル”を丸ごと押さえているかを測るのが本問である。
※胎盤でわずかなアンドロゲン前駆体は作られるが、テストステロンとしては分泌されない。


1️⃣ 講義 PDF との重なり

スライド(系統講義)内容本問との対応
胎盤性ホルモン推移グラフhCG ピーク → hPL・E₂・P₄ 右肩上がりa,b,c,d が分泌される根拠
hPL と脂質分解(ハイライトスライド)妊娠後期の母体脂質代謝d を裏づけ
胎盤はテストステロン合成能を欠く(補足欄)“胎児副腎由来アンドロゲンをエストロゲン化”のみe が分泌されない根拠

2️⃣ チュートリアル過去問 40–46 期での同テーマ

年度抜粋正解関連性
42期 CBT 再現「胎盤で産生されないホルモンを 1 つ選べ:a テストステロン ほか」テストステロン本問と同型
44期 本試験 問18「hPL は胎盤ホルモンであるか」d の確認

3️⃣ CBT・国試向けポイント解説

  1. 蛋白ホルモン → hCG (LH/TSH 類似 α鎖)・hPL (GH/PRL 類似)

  2. ステロイドホルモン → エストロゲン(母体副腎/胎児副腎 DHEA-S を芳香化)・プロゲステロン(de novo 合成)

  3. アンドロゲンは“胎盤通過”するだけ,産生は胎児副腎/性腺。

  4. 臨床:hCG=妊娠検査・奇胎モニタ/hPL=GDM 病態/P₄=切迫流産治療/E₃=胎盤機能指標。


4️⃣ 類題 5 問(国試レベル)

#問題正解解説(講義/過去問)
1胎盤合胞体栄養膜が合成“しにくい”のは?A コルチゾール B エストリオール C プロゲステロン D hCGAコルチゾールは主に母体副腎由来;胎盤 11β-HSD2 で不活化。
2hPL の主要作用で誤りは?A 乳腺発育促進 B インスリン感受性↑ C 脂質分解↑ D 胎児へグルコース温存BhPL はインスリン抵抗性↑。講義 hPL スライド
3胎盤プロゲステロン産生が黄体依存から自律に切り替わるのは?A 4 週 B 8 週 C 10–12 週 D 20 週C“luteal-placental shift” は 10–12 週。
4妊娠悪阻の重症化に最も関与するホルモンは?A hCG B hPL C エストリオール D プロラクチンAhCG 高値妊娠(多胎・奇胎)で悪阻↑。過去問 40期一致。
5胎児副腎 DHEA-S → 胎盤 → エストロゲン化を阻害すると増えるのは?A エストリオール B テストステロン C コルチゾール D 17-OHプロゲステロンB芳香化障害でアンドロゲン↑。

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