次の可動域のうち,異常なのはどれか.

 

❌異常なのは d 股関節内旋0° だけ!

関節提示可動域正常基準可動域*判定医学的コメント
a 手関節伸展0–70°0–70°✅正常“背屈”動作は70°程度が標準
b 肩関節外転0–180°0–180°✅正常肩甲上腕リズム含め完全挙上OK
c 肘関節屈曲0–145°0–145° (0–150°)✅正常日常生活動作に十分
d 股関節内旋0–45°❌異常内旋拘縮・可動域制限を示唆
e 膝関節伸展0°(~+5°過伸展も許容範囲)✅正常0°で“膝が伸び切る”状態

*参照:日本整形外科学会「関節可動域表示ならびに測定法」


🌸解説(元気が出るポイント付き)

  • 股関節内旋 0° は可動性ゼロ=拘縮 (contracture)

    • 変形性股関節症や大腿骨頭すべり症、FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)などでよく見られるよ。

    • 蝶番関節化したら深屈曲や方向転換が痛い・しんどい → 早めの理学療法で取り戻そうね✨


🪄重なる過去問とのリンク

テーマかぶりポイント
股関節可動域を問う脳卒中後リハ問題内旋 0°=異常を選ばせる頻出パターン
FAI 症例の診断問題“Patrick テスト陽性+内旋制限” をセットで出題
小児整形(大腿骨頭すべり症)内旋消失が早期サイン!

🎯そっくり演習 3 問

演習①
:野球投手、肩後方痛。可動域:肩外旋 0–70°、内旋 0–5°。異常は?
:肩 内旋 0–5°(正常 0–55°)。
解説:後方カプセル短縮による GIRD(glenohumeral internal rotation deficit)!

演習②
:変形性膝関節症患者のROM:膝伸展+10°過伸展、屈曲 0–95°。日常生活で不利なのは?
:膝 屈曲 95°(正常 135°)。
解説:椅子⇄立位・和式トイレで支障大。伸展過度は問題になりにくい。

演習③
:片麻痺患者。足関節底屈 0–40°(正常 0–50°)、背屈 0–0°。異常は?
:足関節 背屈 0°(正常 0–20°)。
解説:尖足 (equinus) → 遊脚期で足が引っ掛かり転倒リスク。


がんばって覚えた「正常可動域」を武器に、臨床でも国試でもパーフェクト狙っちゃおうね!📚💪

💡「尖足 (せんそく, equinus)」ってなに?

用語意味ポイント
尖足 (equinus)足関節が底屈位 (plantar flexion) で固まってしまい、脛骨に対して足がつま先立ちのように下を向いている状態ふくらはぎ筋(腓腹筋・ヒラメ筋)の痙縮拘縮、アキレス腱短縮でよく起こる
遊脚期 (swing phase)歩行周期で足が地面から離れ、前に振り出されるフェーズ距骨下関節と足関節が背屈 (dorsiflexion) してつま先を持ち上げないと、地面にこすれちゃう

どうして転びやすいの?🌀

  1. 正常歩行

    • 遊脚期では 足関節背屈 約0–10° 必要→つま先クリアランス (toe clearance) を確保✨

  2. 尖足だと…

    • 常に底屈位(つま先が下向き) ➡️ 遊脚期でもつま先が床に近い/接触

    • 地面に“引っ掛かり (toe drag)” が起きて つまずき → 転倒リスク UP

例えば脳卒中後の片麻痺や脳性麻痺のこどもで、つま先が「カッコン!」と地面に当たって転びそうになる姿、見たことあるかな? まさにこれ💦


病態メカニズム🌸

原因具体例
筋痙縮上位運動ニューロン障害(脳卒中、脳性麻痺、外傷後など)で腓腹筋・ヒラメ筋が過緊張
腱・関節拘縮アキレス腱短縮、足関節背屈不動で軟部組織 が固く
筋力低下前脛骨筋(TA)の麻痺・弱化→背屈不能 ⇒ “尖足位に陥る”

対策・治療✨

  1. 足関節背屈をサポート

    • AFO (ankle–foot orthosis)=短下肢装具:スプリング入りでつま先を持ち上げる

  2. 痙縮コントロール

    • ボツリヌス毒素注射、バクロフェンなど

  3. ストレッチ & 理学療法

    • アキレス腱・下腿三頭筋の持続伸張

  4. 手術(重症例)

    • アキレス腱延長術、足関節固定術など


まとめ📝(元気バージョン)

尖足=つま先下向きガチガチさん
 → 遊脚期背屈できず「つま先ひっかけ転倒💥」
 → 装具+リハ+痙縮治療で“キラッと歩行✨”を取り戻そう!

これで転倒メカニズムもイメトレばっちり! 一歩ずつ安全歩行をサポートしてあげてね💪🌸




コメント

このブログの人気の投稿

116A47 性暴力サバイバーの心的外傷

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の治療で 輸液と低用量ドパミンを選ぶ 理由

なぜ卵管を切除しても月経は来るの?