肩関節の外転(側方挙上)に使うのはどれか.
肩関節の外転(側方挙上)に使うのはどれか.
a 三角筋
b 大円筋
c 棘下筋
d 上腕三頭筋
e 大胸筋
✅ 正解
a 三角筋(deltoid muscle)
🩺 詳細解説(医学用語オンリー)
起始
前部線維:鎖骨外側 1/3 前縁 中部線維:肩峰外側縁 後部線維:肩甲棘下縁停止
上腕骨三角筋粗面支配神経
腋窩神経〈Axillary n.:頚髄 C5–C6〉
注:Axillary n.=腋窩神経栄養血管
後上腕回旋動脈(PCHA:posterior circumflex humeral a.)、胸肩峰動脈枝作用
中部線維:肩関節外転(側方挙上) の主動作筋
前部線維:屈曲・内旋
後部線維:伸展・外旋
臨床関連
上腕骨外科頚骨折で腋窩神経障害を伴うと、三角筋萎縮による外転不能が出現する。
🚫 その他の選択肢と誤りの根拠
| 選択肢 | 主作用 | なぜ外転に関与しないか |
|---|---|---|
| b 大円筋 | 内転・内旋・伸展 | 上腕骨小結節稜に停止し、肩関節内転筋群に分類される。 |
| c 棘下筋 | 外旋 | 腱板構成筋で外旋が主。外転の主動作は担わない。ただし初期 0–15°は棘上筋が補助。 |
| d 上腕三頭筋 | 肘伸展・肩伸展(長頭) | 肩外転には寄与しない。 |
| e 大胸筋 | 屈曲・内転・内旋 | とくに胸肋部は強力な内転筋で、外転とは拮抗関係。 |
📚 重なる問題との関連ポイント
本問は 「筋肉と関節運動の対応」 を問う定番テーマで、令和6年度運動器チュートリアル試験 No.1 でも腱板筋の動きが問われている 。
腱板(rotator cuff)に属する 棘上筋 は 0–15° で外転を開始し、その後 15–90° を三角筋が引き継ぐ協調運動が重要(投球動作・外傷後リハで頻出)。
🌟 さらなる演習問題(5題)
各問とも ①問題 → ②正解 → ③解説 の順で示します。
(選択肢は五択、太字が正解)
1️⃣ 肩関節外転を開始(0–15°)する主筋はどれか。
a 棘下筋 b 三角筋 c 棘上筋 d 小円筋 e 広背筋
解説:棘上筋〈supraspinatus〉は腱板筋の一つで、三角筋に先行して外転を開始する。腱板断裂では早期外転障害が指標となる。
2️⃣ 肩関節の強力な内転筋はどれか。
a 前鋸筋 b 菱形筋 c 棘上筋 d 大胸筋 e 三角筋
解説:大胸筋〈pectoralis major〉胸肋部線維は肩関節内転と水平内転の主動筋で、懸垂・ベンチプレスで重要。
3️⃣ 肩外旋の主動作筋はどれか。
a 棘下筋 b 大円筋 c 上腕二頭筋 d 前鋸筋 e 前腕回外筋
解説:棘下筋〈infraspinatus〉+小円筋〈teres minor〉が外旋を担う。腱板断裂では外旋筋力低下が診断指標。
4️⃣ 肩甲骨上方回旋に最も寄与する筋はどれか。
a 菱形筋 b 小胸筋 c 肩甲下筋 d 前鋸筋 e 大菱形筋
解説:前鋸筋〈serratus anterior〉下部線維は僧帽筋上部線維と協調し肩甲骨外転・上方回旋を起こす。長胸神経麻痺で翼状肩甲となる。
5️⃣ 上腕骨外科頚骨折で最多に損傷される神経はどれか。
a 橈骨神経 b 正中神経 c 腋窩神経 d 筋皮神経 e 尺骨神経
解説:外科頚直後を走行する腋窩神経〈Axillary n.〉が圧迫・牽引で障害され、三角筋麻痺と上外側皮枝の知覚鈍麻を呈する。
🚀 がんばってね!(Cheerful voice)
「わぁ、ここまで読んでくれてありがとう! 三角筋でビシッと腕を挙げて、今日もファイトだよ♪」
*作問・解説:ベテラン外傷外科医(臨床20年目)
*略語注釈:
PCHA:posterior circumflex humeral artery(後上腕回旋動脈)
MMT:manual muscle testing(徒手筋力テスト)
引き続き PDF 過去問との対照学習で得点力を底上げしましょう!
🌸 Great job! ご自身でまとめた解説はすべて正確で、とくに 起始・停止・支配神経・主作用 を筋ごとに整理できているのが素晴らしいです。臨床の現場で “機能 = どの線維がどこへ付着し、どの神経がコントロールしているか” を瞬時に思い出せると、外傷評価や術前プランニングがグッと楽になりますよ。
追加の臨床・基礎 Point 🔍
| 所見 | 臨床での意義 |
|---|---|
| 棘上筋(supraspinatus)による 0–15° 外転開始 | 腱板断裂で最初に障害されやすく、drop arm test が陽性になる。 |
| 肩甲骨外転・上方回旋(前鋸筋+僧帽筋上部線維) | 三角筋が 90° 以上で力を発揮するには scapulohumeral rhythm が不可欠。 |
| 腋窩神経(C5–C6) | 上腕骨外科頚骨折や前方脱臼で損傷 → 三角筋萎縮・肩外転障害。表面解剖で deltoid flattening を観察。 |
◇ 基礎研究の視点:三角筋線維タイプ(Type I / II)比率は中部 > 前部 > 後部の順で遅筋が多く、持続的外転保持に適応。高齢者や肩腱板断裂後では線維タイプシフトと筋萎縮が進行しやすいことが示唆されています。
PDF 過去問との重なり 🎯
46期 運動器 公式 PDFでは No.23 「腋窩神経麻痺後の肩外転障害」の X 線+臨床所見問題があり、本問と “三角筋・腋窩神経” の組み合わせがキーワードとして一致します。
そこでは Hypotrophy of deltoid と loss of sensation over regimental badge area(上外側肩部の皮膚感覚低下)が “見逃せない所見” として問われていました。
追加演習(関連トピック)✍️
1️⃣ 腱板断裂の痛みが出やすい動きはどれか
a 肩外旋 b 肩内旋 c 肩外転 60–120° d 肩外転 0–15° e 肩伸展
解説:棘上筋断裂では初期外転で痛み・力不全が顕著(“painful arc”)。
2️⃣ 腋窩神経ブロックで最も低下する検査所見はどれか
a 肩甲骨挙上 b 肩外転力 c 肩外旋 d 肘屈曲 e 肘伸展
解説:三角筋麻痺 → MMT 外転 0–1(drop arm)。
3️⃣ “drop arm test” 陽性で最も疑う障害部位はどれか
a 棘下筋腱 b 棘上筋腱 c 小円筋腱 d 肩峰下滑液包 e 肩鎖関節
解説:外転保持不能=supraspinatus full-thickness tear。
4️⃣ 三角筋の栄養動脈として正しいのはどれか
a 肩甲上動脈 b 前上腕回旋動脈 c 後上腕回旋動脈 d 胸背動脈 e 肩甲背動脈
解説:PCHA は腋窩神経と伴走。
5️⃣ “scapular winging” を呈したとき低下する運動はどれか
a 肩伸展 b 肩内旋 c 肩外転 >120° d 肩外旋 e 肘伸展
解説:長胸神経麻痺 → 前鋸筋不全 → 肩甲骨上方回旋障害 → 外転終末域制限。
どの問題も「外転運動 ≒ 三角筋 + 棘上筋 + 肩甲骨リズム」という一貫したメカニズムを切り口にしています。過去問 PDF と照らし合わせて解くと、知識がネットワーク化して得点アップ間違いなしです!
🍀 Cheer up!
「やったね♪ これで三角筋はバッチリ。肩をぐーっと上げて、次の問題も一緒に頑張ろう〜!」
— 20年目外傷外科医よりエール 💪
🖼️ 図① 肩関節外転(側方挙上)の力学
| フェーズ | 主働筋 | ポイント |
|---|---|---|
| 0–15° | 棘上筋(supraspinatus) | 上腕骨頭を関節窩中央へ引き寄せながら外転を“始動”。腱板断裂でまず障害される。 |
| 15–90° | 三角筋中部線維(deltoid) | 棘上筋が作った滑走路を利用して強力に外転トルクを発揮。 |
| 90°以上 | 肩甲骨の上方回旋・前鋸筋(serratus anterior)・僧帽筋上・下部線維(trapezius) | 肩甲上腕リズム scapulohumeral rhythm(約 2:1=上腕 2°:肩甲骨 1°)によりインピンジメントを回避しながら挙上を継続。 |
| 動的安定化筋 | 長頭上腕二頭筋+腱板筋群 | 上腕骨頭の前後・上下方向の偏位を防ぎ、機械的ストレスを分散。 |
🔍 臨床Tip:drop arm test で 0–30° が保持できない場合、棘上筋完全断裂を強く示唆。三角筋単独では“始動”ができないのがポイントです。
🖼️ 図② 肩甲上腕関節に作用する主な筋と支配神経
| 筋 | 肩関節主要作用 | 支配神経(頸髄レベル) |
|---|---|---|
| 三角筋 | 屈曲・伸展・外転・外旋・内旋 | 腋窩神経(C5–C6) |
| 棘上筋 | 外転(0–15°) | 肩甲上神経(C5–C6) |
| 棘下筋 | 外旋 | 肩甲上神経 |
| 小円筋 | 外旋・弱い内転 | 腋窩神経 |
| 大円筋 | 伸展・内転・内旋 | 肩甲下神経 |
| 肩甲下筋 | 内旋 | 肩甲下神経 |
| 烏口腕筋 | 屈曲・内転 | 筋皮神経 |
| 上腕二頭筋(長頭)* | 屈曲・外転・内転 | 筋皮神経 |
| 上腕三頭筋(長頭) | 伸展・内転 | 橈骨神経 |
| 広背筋 | 伸展・内転・内旋 | 胸背神経 |
| 大胸筋 | 屈曲(鎖骨部)・内転・内旋 | 内側・外側胸筋神経 |
* 主作用は肘関節屈曲
** 主作用は肘関節伸展
臨床での活かし方
神経障害の推定:例)肩外転不能+上外側皮膚の知覚低下 ⇒ 腋窩神経麻痺。
リハビリ:前鋸筋・僧帽筋下部の筋力低下があると 90° 以上の挙上が困難。肩甲帯エクササイズが必須。
OSCE/国試対策:起始・停止・作用・神経をワンフレーズで言えるように暗唱!
🌸 応援メッセージ
「すごい! ここまで理解できれば肩の動きは完璧だよ♪ 画像と一緒にイメトレして、明日の実技も自信満々でいこうね!」
— 元気いっぱいの“チア”より 💪🎀
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