リウマチ治療中の50代女性におけるAIH・PBC・PSC

 


リウマチ治療中の50代女性におけるAIH・PBC・PSCの鑑別診断




概要と背景



関節リウマチ(RA)など自己免疫疾患の患者では、自己免疫性肝炎(AIH)、原発性胆汁性胆管炎(PBC)、**原発性硬化性胆管炎(PSC)**といった自己免疫性肝疾患を合併することがあります 。50代女性でRA治療中の患者は、免疫学的素因がありこれら肝疾患を発症しやすい背景があります 。各疾患の特徴(検査値・画像・病理・治療・合併症)を比較し、鑑別診断のポイントを整理します。



検査所見(血液検査・自己抗体・免疫グロブリン)



  • AIH(自己免疫性肝炎): 肝細胞障害型の酵素上昇(AST・ALT顕著上昇)が特徴です。国際診断基準ではALTが正常上限の5倍以上といった高度のトランスアミナーゼ上昇が典型所見の一つです 。自己抗体は抗核抗体(ANA)や抗平滑筋抗体(SMA)陽性が多く、IgG高値(基準上限の2倍以上)がしばしばみられます 。アルカリフォスファターゼ(ALP)やγ-GTPは軽度~中等度上昇にとどまることが多く、抗ミトコンドリア抗体(AMA)は陰性です 。
  • PBC(原発性胆汁性胆管炎): 胆汁うっ滞型の肝酵素異常を呈し、ALP・γ-GTPの顕著な上昇が特徴です 。AST・ALTは軽度~中等度の上昇に留まり、進行するとビリルビン上昇を伴います 。自己抗体では抗ミトコンドリア抗体(AMA)が約90%で陽性 (特にM2サブタイプが関連)で、血清IgM高値がしばしばみられます(90%以上の症例) 。AMA陰性例でも抗核抗体の一種である抗gp210抗体や抗セントロメア抗体陽性例があり鑑別に有用です 。
  • PSC(原発性硬化性胆管炎): PBC同様に胆汁うっ滞型の酵素パターンでALP・γ-GTPが上昇し、診断基準にもALP高値が含まれます 。AST・ALTは軽度上昇にとどまることが多く、AMAは陰性でPBCに特徴的な自己抗体は認めません 。特異的な自己抗体は無いものの、一部でMPO-ANCA(いわゆるp-ANCA)が陽性となることがあります 。IgGやIgMは疾病特異的ではありませんが、IgG4関連硬化性胆管炎との鑑別では血清IgG4測定が考慮されます。



補足(臨床のポイント): RA患者ではメトトレキサートなど薬剤性肝障害の鑑別も重要です。PBCは中年女性に好発し、RAを約5%合併するとの報告があります。AIHも約3%でRAを合併し得ます 。一方PSCは男性や若年に多く、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)の合併が特徴的で、RAの合併はまれです 。臨床では、ALT優位の上昇・IgG高値・自己抗体陽性であればAIHを疑い、ALP優位の上昇・AMA陽性ならPBCが示唆されます 。ALP優位の上昇・AMA陰性の場合はPSCを念頭に置き、画像検査で胆管病変を検索します。



画像所見(超音波・CT・MRCPなど)



  • AIH: 画像診断で特異的所見はなく、腹部超音波やCTでは他の慢性肝炎と同様に、進行例で肝腫大や肝硬変所見(表面不整、脾腫)が見られる程度です。AIH自体は肝細胞炎症であり胆管像の異常は呈しないため、胆管造影(MRCP/ERCP)上は正常です。ただしAIH-PSCオーバーラップでは胆管造影でPSC所見を伴います 。
  • PBC: 画像診断で特異的所見はありません 。PBCは肝内の微細胆管が主病変で画像描出できないため、超音波・CT・MRIで胆管の拡張や狭窄が認められないことが特徴的です 。むしろ画像検査は閉塞性黄疸や肝腫瘍など他疾患の鑑別除外のため必須とされています 。進行した症例では肝硬変像や脾腫大を認めることがあります。また胆管が正常であることはPSCとの鑑別ポイントになります。
  • PSC:  胆管造影(MRCPもしくはERCP)で特徴的な所見が得られます。肝内および肝外胆管に不整な壁肥厚や多発狭窄を認め、狭窄と拡張が交互に現れる**「数珠状(beaded)変化」が典型的です 。また胆管の帯状狭窄、剪定状(枝刈り状)の末梢胆管消失、憩室様の嚢状突出などもPSCに特徴的な胆管像として報告されています 。超音波やCTでも高度狭窄部位の上流で胆管拡張を認めたり、胆管壁の肥厚像が映ることがありますが、確定診断にはMRCP等による胆管全体の評価が重要です 。なお小胆管型PSC**では造影上の異常を示さず画像診断のみでの検出は困難です。



補足: PBCとPSCの鑑別にはMRCPによる胆管評価が不可欠です。PBCでは画像上胆管狭窄がない(=肝内細胆管レベルの障害) のに対し、PSCでは胆管像異常が明瞭です 。50代女性RA患者で胆道系酵素↑・AMA陰性の場合、まずMRCPでPSC様所見がないか確認し、なければAMA陰性PBCや他原因の胆汁うっ滞を検討します。PSCが疑われる場合、大腸内視鏡検査で炎症性腸疾患の検索も行われます 。



肝生検所見(病理組織)



  • AIH: 肝組織では慢性肝炎像を呈し、門脈域を中心とした**インターフェイス肝炎(肝限界板へのリンパ球・形質細胞浸潤と肝細胞破壊)**が特徴的です 。形質細胞優位の単核球浸潤や肝細胞ロゼット形成(肝細胞の薔薇状配列)も認められます 。高度の場合、架橋性壊死や潰滅性壊死に至りうる一方、胆管炎所見は基本的に伴いません。
  • PBC: 肝内**小葉間胆管の慢性非化膿性破壊性胆管炎(CNSDC)が病理診断の手がかりです 。いわゆる「フローレス」(florid duct lesion)**と呼ばれる、リンパ球や形質細胞が胆管上皮を攻撃・破壊する像が典型的です。病期が進行すると胆管消失像(胆管の消滅と線維化)、肝細胞周囲の胆汁うっ滞、門脈域の線維化が進展し、最終的に肝硬変に至ります。PBCでは病変が門脈域中心に均一に広がるため、経皮肝生検でも比較的診断に有用な所見が得られます。
  • PSC: 病理学的には胆管周囲の同心円状線維化(“オニオンスキン”病変)がPSCに特徴的です 。中~大サイズ胆管周囲にタマネギの皮様の層状線維化が見られ、胆管の狭窄・閉塞像が進行すると小胆管の消失と周囲の線維性閉塞性胆管炎が生じます。ただしPSCの肝病変は不均一・斑状に存在するため、経皮的な肝生検では典型所見が得られないことも多い点に注意が必要です 。一方で、小児発症例やAIH合併が疑われる症例では、生検でAIH様の高度肝炎所見(形質細胞浸潤など)を確認し治療方針を決定する意義があります 。
  • オーバーラップ症候群:  AIHとPBCあるいはPSCの病理所見が混在することがあり、それぞれAIH-PBCオーバーラップ(胆管炎とインターフェイス肝炎が共存) 、AIH-PSCオーバーラップ(小胆管周囲線維化と肝炎所見が共存)と呼ばれます 。この場合、生検で両者の所見が得られることが診断の助けとなります。



補足: RA患者ではメトトレキサート長期投与による肝線維化も肝生検で鑑別すべき所見です。MTX肝障害では脂肪変性や線維化が進行することがありますが、AIHに見られるような高度の界面肝炎や形質細胞浸潤は通常示しません。臨床経過・薬剤歴と併せて評価します。



治療戦略(第一選択薬・治療反応性・予後指標)



  • AIH: 第一選択は副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン)による免疫抑制療法です 。通常はプレドニゾロンを初期大量投与し、酵素正常化に伴い漸減、維持量まで減量します。アザチオプリン併用によりステロイド必要量を減らすのが標準的です。適切な治療で長期予後は一般人口と同等になり得ると報告されています 。実際、治療反応性が高ければAST・ALTやIgGは速やかに正常化し、組織学的にも炎症の改善が期待できます 。一方、治療開始が遅れた例や劇症化した例では効果不良で、少数ながらステロイド抵抗性例も存在します 。治療目標は生化学的寛解(肝機能正常化)および組織学的寛解であり、治療反応不十分な場合はミコフェノール酸モフェチルやタクロリムスなどの二次治療も検討されます。予後因子として、初診時の肝硬変合併は不良因子であり、治療に反応しない場合や再燃を繰り返す場合も肝不全に進行しうるため注意が必要です 。
  • PBC: 第一選択治療はウルソデオキシコール酸(UDCA)の内服です 。UDCAは胆汁酸組成を改善し肝細胞を保護する作用があり、重症例を除き広く用いられています 。UDCA導入後1年のALPやビリルビン値の改善具合が予後指標となり、ALP正常化・ビリルビン正常維持できれば長期生存率は良好です(しばしば健常人とほぼ同等と報告) 。一方、治療開始時からALPが2×ULN以上残存する例や高度肝線維化例では予後不良傾向があり、追加治療を考慮します。日本ではベザフィブラート(フィブラート系薬)併用が有効との報告があり、UDCAで効果不十分な症例に使用されることがあります 。海外ではオベチコール酸(OCA)やフィブラートを追加する治療が推奨されるケースもあります。PBCは治療への反応が良ければ生存率の大幅改善が可能ですが、非反応例では10~15年で肝不全に至ることもあり、この場合は肝移植適応となります。予後予測にはグローブスコアやUK-PBCスコアなどが提唱されていますが、日常診療ではALPとビリルビンの経時変化が重視されます。痒みなど症状に対してコレスチラミンや抗ヒスタミン薬、難治性掻痒にはナルフラフィン塩酸塩(レミッチ®)が有効です 。骨粗鬆症対策も重要です。
  • PSC: 現時点で根本的治療法は確立されていません 。免疫抑制剤は一般に奏効せず、UDCAが胆汁うっ滞改善目的で多く使用されます(日本では約8割の症例で投与 )。中等量UDCA投与でALP改善効果は示されるものの、生存予後を改善するかは明確でなく、高用量UDCAはかえって予後を悪化させる報告もあります 。したがって標準治療は確立されていないのが現状です。臨床試験レベルではノルウルソ(norUDCA)、抗Fibro薬、抗生剤(バンコマイシン:小児PSCでの有効報告)などが検討されています 。合併する炎症性腸疾患のコントロールや、胆管狭窄による閉塞性黄疸に対する内視鏡的ドレナージ(ERCでの狭窄拡張・ステント留置)が重要な支持療法です 。AIHの合併が示唆される症例ではステロイド併用が有効なこともあります 。PSCは緩徐進行性ですが多くは年単位~十数年で肝不全に至り、肝移植が唯一の根治治療です。5年非移植生存率は77%、10年では約60%と報告されています 。若年発症や無症状で診断された例のほうが生存率は高い傾向があります 。予後不良因子は高ビリルビン血症、黄疸や反復性胆管炎の症状出現、肝硬変の所見(脾腫・静脈瘤出現)などで、Mayoリスクスコア(年齢・ビリルビン・Alb・AST・出血の有無)も利用されます 。



補足(治療上の注意点):


  • AIHでは寛解後も維持療法を長期に続け再燃を防ぐ必要があります。副腎皮質ステロイドの長期投与による糖尿病・骨粗鬆症など合併症管理も重要です。
  • PBCではステロイド単独療法は骨粗鬆症悪化のため禁忌とされます 。ただしAIH-PBCオーバーラップではUDCAにステロイドを併用する治療が推奨され、両疾患の特徴を満たす症例ではステロイドとUDCAの併用で肝機能改善・肝硬変進展抑制が報告されています 。
  • PSCでは胆管癌(コレステロールポリープ含む胆嚢癌)合併に注意が必要で、定期的な画像モニタリングや腫瘍マーカー(CA19-9)測定、大腸癌スクリーニングを行います 。ドミナントストリクチャー(重要胆管部の高度狭窄)は胆管癌との鑑別が必要で、生検や細胞診、あるいは早期の外科的評価を検討します 。




合併症・他の自己免疫疾患との関連性



  • AIHの合併症・関連: 約30%の症例で他の自己免疫疾患を合併し、慢性甲状腺炎(橋本病)、シェーグレン症候群が高頻度です 。RAの合併も数%(日本では3.4%)報告され、自己免疫素因を持つ人でAIH発症率が高いことが示唆されています 。肝硬変に進展した場合は肝細胞癌のリスクが若干上昇するため、超音波等で定期的にサーベイランスを行います(非合併例よりHCC発生率は低いが、合併した場合の予後は不良)。
  • PBCの合併症・関連: シェーグレン症候群を約20%と高頻度に合併し、関節リウマチ(5%)、自己免疫性甲状腺炎(5%)など複数の自己免疫疾患を伴うことがあります。またPBC患者の一部はAIHを合併し(AIH-PBCオーバーラップ)、前述の通り治療方針が変わります。合併症として骨粗鬆症や脂質異常症、脂肪下痢(脂溶性ビタミン不足)、皮膚掻痒感が問題となります 。肝硬変例では食道胃静脈瘤の出現頻度が他の肝硬変より高い傾向があり、出血リスクがあります 。PBC患者が妊娠出産するケースもありますが、UDCAは妊娠中も比較的安全に使用可能とされます。
  • PSCの合併症・関連: **炎症性腸疾患(IBD)**の合併が顕著で、欧米ではPSC患者の70–80%に潰瘍性大腸炎(UC)を認めます (日本では30–40%程度 )。PSCに合併するUCはしばしば症状軽微ですが、大腸癌リスクが高く注意が必要です 。胆管癌はPSC患者の10年累積発生率で7–9%と高率であり 、胆嚢ポリープも悪性化しやすいため胆嚢摘出が推奨される場合があります。長期経過で肝不全・門脈圧亢進症状(腹水、肝性脳症、消化管出血など)を来し、肝移植後もPSC再発が報告されます 。自己免疫疾患の合併はAIH以外まれですが、IgG4関連硬化性胆管炎との鑑別が重要です(IgG4-SCは中高年男性に多くステロイドが有効)。RAとの明確な関連は報告が乏しいものの、慢性炎症や免疫異常の背景は共有する可能性があります。



補足: RA患者でALP優位の肝障害を呈した場合、PBCの存在を念頭におくことが臨床的に重要です。実際、RA患者の4–6%がPBCなど自己免疫性肝疾患を合併しうるとの報告があります 。原因不明の肝酵素異常が持続する場合、自己抗体測定や専門医へのコンサルテーションを早めに検討します。



鑑別診断のまとめ(表)



以下にAIH・PBC・PSCの鑑別に有用な特徴を表にまとめます(50代女性RA患者を想定した場合)。

項目

自己免疫性肝炎 (AIH)

原発性胆汁性胆管炎 (PBC)

原発性硬化性胆管炎 (PSC)

患者背景

中年女性に好発(男女比≈1:9)。RAなど自己免疫疾患の合併あり 。

中年~高齢女性に好発(男女比≈1:9) 。RA合併例 ~5%。

若年~中年男性に多い(男女比≈1:0.9※地域差) 。IBD(特にUC)を高頻度合併 。RA合併はまれ。

主な病変部位

肝細胞(肝実質)への免疫攻撃。胆管は侵されない。

肝内小葉間胆管の免疫学的破壊(細胆管障害) 。

肝内・肝外中~大胆管の慢性炎症・線維化(大小胆管障害) 。

肝酵素パターン

肝細胞型(AST・ALT著増; ALTしばしば>5×ULN )。ALP軽度~中等度↑。

胆汁うっ滞型(ALP・γGTP著増 ; ALPしばしば>2×ULN)。AST・ALT軽度↑。

胆汁うっ滞型(ALP・γGTP増加 ; ALPは必ず上昇)。AST・ALT軽度↑。

自己抗体

抗核抗体(ANA)陽性 ~80%、抗平滑筋抗体(SMA)陽性 ~70%。AMA陰性。 その他LKM-1抗体(AIH type2)、SLA/LP抗体(type3)陽性例も。

抗ミトコンドリア抗体(AMA)陽性 ~90%(特にM2) 。抗核抗体(抗gp210、抗中心体など)陽性例あり 。

特異的自己抗体なし(AMA陰性) 。MPO-ANCA/pANCA陽性例 ~40–80%(特にUC合併例) 。

高グロブリン

IgG高値(しばしば>2×ULN) 。IgA, IgMは通常正常。

IgM高値が特徴(>90%の症例) 。進行例では多クラス高γグロブリン血症。

特徴的な高グロブリンはなし(IgG4関連疾患は別概念)。軽度の高IgMや高IgGのことも。

画像所見

肝エコー・CTで特異所見なし。進行例で肝硬変像。胆管造影も正常(胆管病変なし)。

エコー・CTで胆管拡張なし (細胆管病変のため)。特異的所見なく、画像は除外診断目的 。

MRCP/ERCPで多発胆管狭窄と拡張(数珠状変化) 。胆管壁不整や末梢消失、嚢状憩室様突出も特徴 。

病理組織

門脈域主体のインターフェイス肝炎(piecemeal壊死)。リンパ球・形質細胞浸潤 、ロゼット形成。胆管炎所見は通常なし。

慢性非化膿性破壊性胆管炎(フローレス病変) 。小胆管の逐次消失と門脈域線維化。末期には胆汁性肝硬変。

胆管周囲の同心円状線維化(オニオンスキン病変) 。斑状に胆管炎・線維化が分布し、生検では見逃しあり得る。 進行すると胆管消失と周囲線維化。

第一選択治療

副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン)+アザチオプリン維持 。効果良好で寛解狙う。

UDCA(ウルソ)内服 。早期介入で進行抑制。無症候例も治療推奨。

確立治療なし(UDCA投与が一般的) 。有症状時は内視鏡的胆管ドレナージ適応。

治療反応・予後

ステロイド治療への反応性高く、寛解すれば10年生存率90%以上。治療開始遅れや線維化進行例では再燃・肝硬変のリスク。

UDCA反応良好なら長期予後良い(生存率ほぼ健常並み)。ALP・T-Bilが改善しない例は数年~十数年で肝不全進行も。非反応例や劇症化例では肝移植検討。

進行性で平均生存10–15年。5年非移植生存77% 。若年・無症状発見は予後比較的良好 。肝移植後も再発10–20%あり。

主な合併症

肝硬変→門脈圧亢進症(静脈瘤・腹水)、肝不全。HCC発生は稀だが肝硬変例で注意。自己免疫疾患合併多い(橋本病・Sjögren・RA等) 。

肝硬変進行で静脈瘤出血・腹水。骨粗鬆症や脂質異常症、高コレステロール血症(黄色腫)を合併。 門脈圧亢進症状(静脈瘤)は他原因肝硬変より早期に出現し得る 。HCCリスクは肝硬変では上昇。自己免疫合併(Sjögren20%, RA5%等)。

胆管炎の反復(細菌性胆管炎)、胆管癌(10年で7–9%) 、胆嚢癌(胆嚢ポリープの悪性化)合併。肝硬変進行で静脈瘤・腹水。炎症性腸疾患合併多く大腸癌リスク上昇 。脂溶性ビタミン欠乏や骨減少症にも留意。

参考文献: 最新の国内ガイドライン・解説書より作成 。各疾患は臨床像にオーバーラップもあり得るため、総合的な評価が重要です。上述の特徴を踏まえ、RA患者の肝障害では自己免疫性肝疾患の可能性を考慮し早期に専門医へ相談することが推奨されます。


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