経腟エコーでは妊娠4〜6週で

 一文まとめ

経腟エコーでは妊娠4〜6週で胎嚢を描出し、6〜8週で胎児心拍動を確認、10週以降に躯幹・四肢の自発運動、12週以降に膀胱収縮による排尿、そして15週頃に胎盤が完成する──という“週数と観察可能機能”のタイムラインが超音波評価の基本である。


1️⃣ 過去問との重なり

年度問題文(抜粋)正解重なるポイントcitation
44期 産婦 問26「妊娠10週の経腟超音波所見で診断できる項目はどれか」→〈5.頭殿長〉を含む2つ選択1,510週はCRL(頭殿長)で胎児を評価=心拍・運動も明瞭になる時期 
46期 本試験 問30「胎盤について誤っているものを1つ選べ」選択肢a『胎盤は16週頃に完成する』aは正しい選択肢胎盤完成は15〜16週で本タイムラインと一致 

わかりやすい解説

  • CRL測定期(7–11週):胎嚢内で胎児がほぼ一直線なので最も誤差が小さい――10週問題はこれを聞く定番。

  • 胎盤完成16週前後:早期に“前置”と決めつけない理由を問う設問に頻出。


2️⃣ 国試・専門医レベルで押さえるポイント

週数主な超音波マイルストーン臨床的意義
4–6週胎嚢(GS)妊娠超早期確定・異所性鑑別(hCG閾値とセット)
6–8週心拍動流産 vs 正常妊娠の決定打、予定日補正前の生命徴候
10週〜躯幹・四肢運動運動パターン→神経筋疾患スクリーニング序章
12週〜排尿行動羊水産生開始=腎機能発達指標、膀胱拡大の早期発見
15–16週胎盤完成前置胎盤はまだ確定せず、羊水量バランス転換点

これを覚えると

  1. 流産診断の閾値(CRL≥7 mm + 無心拍)

  2. 出生前診断時期(NT:11–13+6 週)

  3. 前置胎盤再評価タイミング(24 週以降)
    が一気に整理できる。


3️⃣ 国試準拠・類題 5 問

#類題正解
1妊娠6週1日、胎嚢20 mmで胎芽非描出。最も適切な対応は?A 流産手術 B 1週間後再エコー C hCG投与 D 絨毛検査 E 入院管理B
2妊娠11週、胎児心拍正常・四肢運動あり。予定日決定に最有用な測定は?A 胎嚢径 B CRL C BPD D FL E AFIB
3妊娠13週、膀胱が直径2 cmで周期的に膨張収縮。考えにくいのは?A 後部尿道弁 B 正常排尿 C 多嚢胞腎 D 前部尿道弁 E 下部尿路閉塞C
4妊娠15週で胎盤が内子宮口中央にかかる。管理は?A 前置胎盤確定と説明 B 24週で再評価 C 帝王切開日程を決定 D 完全安静 E 子宮動脈塞栓術B
5妊娠7週、胎児心拍140 bpm。翌週100 bpmに低下。第一に疑うのは?A 胎児徐脈正常範囲 B 漿膜下筋腫圧迫 C 胎児心不全前駆 D 絨毛膜下血腫 E 前置胎盤C

4️⃣ 授業にしかないプチTips

  • 排尿行動を“Blink sign”と呼ぶ:膀胱が規則的に光って縮む様子が瞬きを思わせる、という講義ネタ。

  • 胎盤は“引き伸ばされる”ので上がる:placental migration を「風船に貼ったシールが上へずれる」イメージで覚えると前置胎盤の再診時期が頭に残る。


🌟応援ワード

「週数=超音波の“出席番号”! 小さな命の成長ステップを数字で追えれば、周産期診療の未来図が一気に広がるよ。ガンガン覚えて、一緒にゴールへダッシュ💨」


(引用:胎児初期USタイムライン講義スライド 、44期問26 、46期問30 )

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