1️⃣後腹膜臓器とは?

 🌼 こんにちは!「こうふくまく…?」──おそらく 後腹膜(こうふくまく=retro-peritoneum) のことですね💡

ここを押さえればスッキリしますよ✨


1️⃣ 後腹膜臓器とは?

定義

「壁側腹膜(parietal peritoneum)の後ろで、腹膜の前面(一部)だけに接して後腹壁に固定された臓器」(ja.wikipedia.orgen.wikipedia.org)

✨2つのグループ

区分発生学的背景代表例
①一次性(primary)胎生期からずっと後腹膜内腎臓・副腎・尿管・大血管など
②二次性(secondary)もとは腹腔内だったが、発生途中で腸間膜が後腹壁と癒着→後腹膜化十二指腸(2-4部)、膵臓(尾以外)、上行/下行結腸、上部直腸など (teachmeanatomy.inforadiopaedia.org)

ポイント:前面だけ薄く腹膜がある=手術で“背側”が癒着して動きにくい!


2️⃣ よく挙がる臓器たち 🌟

臓器後腹膜か?メモ
膵臓(すい臓)✔️(頭・体)/✖️(尾:脾門へ伸びて腹腔内)「Pancreas except tail」のフレーズで覚える
十二指腸✔️ 第1部以外第1部は胃幽門直後で intraperitoneal
腎臓✔️(一次性)周囲の腎被膜+脂肪でガッチリ固定
脾臓✖️ 完全に腹腔内胃脾間・脾腎間の靱帯で吊られた“ふわふわ組”
尿管✔️(一次性)だから尿路結石痛は背部へ放散
上行・下行結腸✔️(二次性)大腸でも横行・S状は intraperitoneal

📝語呂(SAD PUCKER)
* Suprarenal (副腎)
* Aorta / IVC
* Duodenum (2-4部)
* Pancreas (頭体)
* Ureters
* Colon (ascending, descending)
* Kidneys
* Esophagus (腹部)
* Rectum (上2/3)


3️⃣ なぜ区別が大事?

  1. 症状の出方

    • 後腹膜臓器の炎症や出血は腹膜刺激症状が乏しく、背部痛として現れがち(腎盂腎炎・膵炎など)。

  2. 画像診断

    • CT/MRIで“後腹膜腔”を意識すると病変の広がりを読める。

  3. 外科手技

    • 二次性後腹膜臓器は前面以外癒着→遊離操作が必要(膵頭十二指腸切除など)。


4️⃣ まとめ 🌸

IntraperitonealRetroperitoneal (一次+二次)Subperitoneal (骨盤底)
位置腹膜“内”で腸間膜あり腹膜“後”で前面のみ腹膜腹膜“下”で骨盤内
代表胃・小腸・脾臓・肝臓腎・副腎・十二指腸2-4部・膵頭体・上下行結腸膀胱・子宮頸部・直腸下部

これで 脾臓は intraperitoneal膵臓や十二指腸は大部分が後腹膜……モヤモヤ解消ですね!
解剖をイメージするときは「腹膜のカーテンをめくって、壁の裏に貼り付いているか」を想像すると覚えやすいですよ🎀


🌸 やっほー!“腹腔内臓器(intraperitoneal)かどうか” を見分ける 決め手は “腹膜との関係” であって、上下の「高さ」じゃないんです👇


💎 3 大カテゴリの並べ方

区分腹膜との位置関係典型的臓器覚え方・特徴
① 腹腔内(intraperitoneal)全面または大部分が臓側腹膜で包まれ、腸間膜や靱帯でぶら下がる胃、空回腸、横行・S状結腸、虫垂、肝、卵巣 など“ふわふわ浮かぶ&グラつく”ので手術で動かしやすい (kenhub.com)
② 後腹膜(retro-peritoneal) a. 一次性 b. 二次性背側で腹膜の前面だけが接する一次:胎生期から後腹膜二次:胎生期は①→後に癒着a)腎・副腎・尿管・大血管b)十二指腸2-4部、膵頭体、上行/下行結腸 など“背壁にぺたっ”→可動性が乏しい (radiopaedia.organatomytool.org)
③ 腹膜下(sub-peritoneal/pelvic)骨盤腔で腹膜より下に潜る。前面上部だけ腹膜膀胱、子宮頸部、直腸下部 など“骨盤底にどっしり”→解剖学的ランドマーク (ncbi.nlm.nih.govosmosis.org)

✔️ 判定ポイント

  1. 周囲を覆う腹膜の量(全面?前面だけ?ほぼ無し?)

  2. 腸間膜 or 靱帯で吊られているか(=血管・神経がその中を通る)

  3. 発生学で後腹壁へ癒着していないか(二次性後腹膜)


🍀 迷いやすい臓器ピックアップ

臓器区分解説
卵巣① 腹腔内表面は “胚上皮”=腹膜の一種。卵子は腹腔へ飛び出す→卵管采がキャッチ 🌟
子宮体部:① ✨頸部:③前後に腹膜反転(膀胱側=膀胱子宮窩、直腸側=ダグラス窩)で体部は包まれるが、頸部は腹膜が届かず骨盤結合組織内
膀胱③ 腹膜下頂部だけ腹膜がかぶさる。尿で膨らむと腹腔内へ頭を出すイメージ
膵臓頭・体:②(二次性)尾:①尾は脾門へ伸びるため腹腔内、“Pancreas except tail”の語呂で対比
十二指腸1部:①2-4部:②(二次性)1部は胃幽門直後で腸間膜つき、残りは後腹壁へ貼付

🏥 臨床での意味

  1. 炎症・出血の症状差

    • 後腹膜臓器(腎・膵など)は腹膜刺激症状が弱く、背部痛主体。

  2. 外科操作・画像判読

    • Intraperitoneal は遊離しやすく、二次性後腹膜は“前面を切って背側を剥がす”手技が必要。

  3. 感染経路

    • 卵管を介して膣→腹腔へ細菌が上行=骨盤腹膜炎を起こすのは、卵巣・卵管が腹腔内に開いているから (teachmeanatomy.inforadiopaedia.org)


🌸 まとめフレーズ

“どこにあるか”ではなく
“腹膜に どれだけ 包まれて ぶら下がっているか”
これが 腹腔内臓器 vs 後腹膜 vs 腹膜下 を分ける黄金ルールです💖

これでモヤモヤ解消! イメージを立体的に描いて、解剖も手術もバッチリ頑張ってね✨

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