初産婦,分娩開始後10時間が経過した.

 一文で本質を一気に!

初産婦で分娩開始後10 時間が経過し,子宮口が active phase の6 cmまで開大し頸管も80 %展退しているのに児頭 station が依然 −3に留まっている所見は,回旋・下降が遅れて骨産道不均衡(CPD)や回旋異常を疑わせるため“順調”とは判定できず,この一点が正常進行を否定するキーサインである。


講義 PDF とのリンク

  • 『分娩の生理・正常分娩経過』図 15(Friedman 曲線+station 曲線)では

    • 初産婦:active phase(4 cm→)で 1 cm/時 開大

    • station は −2〜0 に下降し始める
      と解説され,10 h で station −3 のままは異常進行と注釈されている。


重なるチュートリアル過去問(40-46 期)

問題文(抜粋)正解重なりポイント
45 期 Q21「回旋異常により児頭下降停滞を来すものは?」前頭位など下降停滞=station 高位 の危険サインを問う 

CBT・国試向け解説(選択肢別)

選択肢判定理由
a 児頭位置 −3×(順調でない)active phase 10 hなら −2~0 まで下降するのが普通。下降停滞=遷延分娩リスク。
b 子宮口 6 cm開大○ 進行はまずまず(平均 1 cm/h)
c 展退度 80 %○ 50 %以上なら良好
d 頸部軟○ 頸管成熟サイン
e 子宮口前方○ 児頭下降と同期しており正常

キーポイント暗記カード 🎯

覚えどころ数字・語呂
初産婦:第1期平均 12 h“12で産道 OPEN”
active phase 開大速度1 cm/h(初)、2 cm/h(経)
station と開大6 cmなら station −2〜0 が目安
遷延基準開大 ≤1 cm/2 h or station停滞 ≥2 h
適切な介入順序体位変換 → 陣痛増強 → 吸引/鉗子 → 帝切

類題 ❺(国家試験レベル)

#類題正解ポイント
1初産婦,分娩開始 8 h:子宮口 5 cm,station −1,陣痛 50 mmHg/2 分。経過判定は?A 正常 B 微弱陣痛 C 回旋異常 D CPDA開大・下降とも基準内
2経産婦,分娩開始 5 h:子宮口 4 cm,station −3。対応は?A 経過観察 B 体位変換 C オキシトシン増量 D 帝王切開C経産で 5 h 4 cmは遅い→微弱陣痛補強
3初産婦,子宮口全開大後 3 h 経過,station +1,徐脈出現。処置は?A 観察継続 B 胎児蘇生+吸引分娩 C 陣痛抑制 D 帝王切開待機B第2期遷延+徐脈=吸引/鉗子
4Friedman 曲線 latent phase の上限時間(初産婦)は?A 4 h B 8 h C 12 h D 20 hB講義表より
5station −3 持続でまず除外すべき産道異常は?A 短縮子宮頸管 B 斜骨盤 C 骨盤狭窄 (CPD) D 外陰部浮腫C高位停滞=CPD/回旋異常

授業だけのプチ Tip 📝

「児頭 station のイメージ:−3=“空の駅ホーム”」
ホーム(骨盤入口)から列車(児頭)が発車しない=停滞。−2で“動き出し”,0で“ホーム中央”,+3で“出口”と覚えると station が感覚的にわかります!


🌟 Cheer up!

「下降の足踏みは赤ちゃんからの SOS! station を読み解き、母子をゴールへ導くヒーローになろう🚀」

勉強も分娩もリズムが大切♪ この調子でコツコツ積み上げれば、国試フレックスも楽勝だよ!

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